Microsoftは7月8日(現地時間)、Windows上でAndroidアプリの実行を可能にする「Windows Subsystem for Android(WSA)」の最新のプレビュー版となるビルド2306.40000.1.0(以下、WAS2306)をリリースした。このアップデートでは、カメラの互換性の向上によってカメラへのアクセスを必要とするAndroidアプリのユーザエクスペリエンスが改善や、全画面モードでのマウスとタッチのエクスペリエンスの向上などといった機能改善が行われている。
WSAは、Windows Subsystem for Linux(WSL)で培われた技術を利用して、Windows上でAndroid用のアプリをシームレスに実行できるようにするプラットフォーム。現在は開発中の段階であり、MicrosoftはWindows Subsystem for Android Preview Programの参加者向けに早期プレビュー版を公開し、フィードバックを募集している。
今回リリースされたWAS2306における変更点は、次のリリースノートにまとめられている。
主な変更点は以下のとおり。
- カメラの互換性の向上
- 全画面モードでホバータスクバーが表示されるようになり、マウスとタッチのエクスペリエンスが向上
- ユーザ ーフォルダの共有で、デフォルトの共有フォルダを変更するオプションが追加
- 読み取り専用ディスク用のファイルシステムがEROFSからEXT4に切り替えられた
- AndroidアプリにOneDriveフォルダが表示されない問題を修正
- より多くのファイルタイプでドラッグアンドドロップが利用可能になった
- ARMデバイスの安定性が向上
- Linuxカーネルが5.15.104になった
- Android 13のセキュリティアップデートが適用
WSA上で利用可能なAndroidアプリは、Windows 11向けのAmazonアプリストアから入手することができる。AmazonとMicrosoftは、WSA2306の公開に先立つ2023年7月6日に、Windows 11向けAmazonアプリストアの開発者向けの一般公開を開始した。Windows 11のAmazonアプリストアは、これまでは一部の開発者のみ利用することができたが、現在はAmazon開発者アカウントを持つすべての開発者が、自分のアプリを登録できるようになった。Androidアプリの開発者は、次の開発者ポータルからWindows 11向けのアプリの登録を行える。