フィッシング対策協議会(Council of Anti-Phishing Japan)はこのほど、「フィッシング対策協議会 Council of Anti-Phishing Japan|報告書類|月次報告書|2023/06 フィッシング報告状況」において、2023年6月のフィッシング報告状況を発表した。
2023年6月のフィッシング報告状況の注目される主な内容は次のとおり。
- ヤマト運輸を偽るフィッシング詐欺が全体の約18.1%となり最多となった。これにイオンカード、Amazon、セゾンカード、ジャックスを偽るフィッシングが続いており、これらを合わせると全体の60.2%を占めている。1,000件以上の報告があったブランドは20ブランドあり、これらで全体の91.6%を占めた
- SMSから誘導を行うスミッシングでは、金融系ブランドを偽る文面の報告が増加した。宅配便関連の不在通知を偽る文面からAppleを偽るフィッシングサイトへ誘導するタイプの報告も続いている。Amazonやクレジットカードブランドを偽る文面の報告も続いた
- 報告されたURLは.cnが44.9%ほどで最も多く、これに.com (約32.3%)、.icu (約4.1%)、.cyou(約3.8%)、.cfd(約3.6%)、.top(約2.7%)が続いた
- DMARCを正式運用していない組織が集中的に狙われる傾向が続いた
- 独自ドメインを使い送信ドメイン認証では、判別ができないフィッシングメールが約20.8%となり増加傾向となった
- フィッシング報告件数は増加しており、2023年6月は過去最高の報告数となった
同協議会は、大量のフィッシングメールが届いている場合、そのメールアドレスが漏洩している事実を認識し、フィッシング対策機能が強化されているメールサービスのアドレスに切り替えることや、パスワードの変更、決済サービス履歴の確認実施などを呼びかけている。
またフィッシング対策協議会はメールサービスを提供している通信事業者に対してはDMARCポリシに従ってメールの配信を行うことや、迷惑メール対策を強化しユーザへ迷惑メールフィルタの利用を促すように呼びかけている。