IHIと富士通は7月6日、J-クレジット発行に向けた環境価値創出プロセス(CO2排出量などのデータ収集、検証、報告)を簡易化する「簡易創出基盤」の取り組みを2023年6月より開始したと発表した。

両社は、2022年度よりカーボンニュートラルへの貢献と環境価値取引を支える「環境価値流通プラットフォーム」の実現に向けて共同事業プロジェクトを進めている。

同プロジェクトは、IHIのIoT基盤「ILIPS」を通じて収集されたデータから算出したCO2削減量を環境価値としてトークン化し、異なるブロックチェーン同士を安全に相互接続する富士通の「ConnectionChain(コネクションチェーン)」を活用して環境価値取引市場に流通させるプラットフォーム「環境価値流通プラットフォーム」の実現を目指すもの。

  • 「多様な環境価値のデジタル検証」のイメージ

「環境価値流通プラットフォーム」にJ-クレジット「簡易創出基盤」を追加することで、企業などの環境価値創出者がCO2削減量などの環境価値を、容易にJ-クレジット化することが可能になる。

加えて、J-クレジット取引へのデジタル技術の適用促進を図ることで、CO2排出量削減などの環境貢献に取り組む企業や団体(環境価値創出者)が創出した環境価値を、購入者がJ-クレジットとしてスムーズに取引できる持続可能な価値連鎖モデルの構築を目指す。

この取り組みの一環として、両社は環境省の「令和5年度J-クレジット制度に係るデジタル技術活用に向けた調査検討委託業務」の実証事業の協力者として採択され、2023年6月から2024年3月まで同事業に取り組む。