日立製作所は7月6日、ベトナム全土の郵便事業を中心としたデジタル化に向けて、ベトナムの国営企業であるVietnam Post(ベトナム郵便)のデジタルインフラ構築と物流DXの実証を開始することを発表した。

  • 日立、ベトナム郵便とデジタルインフラ構築と物流DXの実証を開始

    日立、ベトナム郵便とデジタルインフラ構築と物流DXの実証を開始

実証実験では、DXを支えるデジタルインフラの中核となるデータベースの本格構築に向けて、ベトナム郵便が保有するさまざまなデータから、必要なデータを取捨選択、統合・可視化し、最適な収集・管理・活用を検証する。

日立のデータ管理・分析ソフトウェア群であるPentahoを活用し、格納対象とするデータを選択・統合・可視化することで、散在するデータの収集・管理方法や、配達員・物流マネージャー・経営層などステークホルダーに合わせたレポート作成といった活用方法などを検討するという。

また、ベトナム郵便の現在の中核事業である郵便・物流において、日立独自のCMOSアニーリングを活用することで、配達員の人数、車両のサイズ、台数、配送ルート、配送のタイミングなどを考慮した最適な配送ルートを作成する。これにより、配達時間の短縮や配送料の最適化による顧客満足度向上が可能になるほか、今後拡大するEC需要への対応にもつなげていく予定だという。

  • 実証実験の概要イメージ

    実証実験の概要イメージ

まずはスモールスタートで実証を行い、今後ベトナム郵便の全拠点に拡大することをめざす。将来的には、CMOSアニーリングで算出した効率的な配送ルートを自動で配達員に通知し個人宅に配送するなど、さらなる業務効率化にも取り組んでいく構えだ。日立は今回検討・検証した内容をもとに、今後、本格的にデータベースを構築し、既存事業の効率化のみならず、注力するEC事業の拡大などもめざすとしている。