SCSKは7月6日、自社専用環境に生成AI「SCSK Generative AI」を活用した質疑応答支援システムを開発し、概念検証を開始したと発表した。
公開済みの一般的な情報をもとに学習している汎用的な生成AIは、企業が公開していない情報や各社に特化した情報を扱うことが難しく、適切な回答結果が得られないという課題を抱えている。
また、社外からの問い合わせ対応業務において生成AIを活用するには、企業が保持している非公開の資料を基にした学習、質問内容に応じて適切な情報を抽出したうえでの回答作成が必要となる。
こうした課題を解決するため、同社は質疑応答支援システムを開発。概念実証により、同システムの有効性の確認と実用化に向けた課題を明らかにする。
同システムは、公開済みの情報を学習している汎用的な生成AIと異なり、経営資料や社内文書などの非公開情報を事前に解析処理し、専用のデータストアの作成を行う。
そのうえで、入力された質問文を解析しそのデータストアと照合し、回答作成に必要なテキスト要素をSCSK-GAIに連携する。SCSK-GAIは、このテキスト要素から自然な回答文を生成して表示する。あわせて、回答の根拠となった参照ファイルも表示する。
同システムは、SCSK専用のセキュアなクラウド環境に構築しており、経営資料や社内文書など機密情報を含む情報セキュリティを担保するという。
概念検証では、過去の株主総会やアナリスト向け説明会で発生した質疑応答を参考にして、回答の精度や速度の評価を行っている。同社は今後、抽出された課題に対する改善を行い、社外からの問い合わせ対応業務全般への適用範囲の拡大を目指す。