ALEは7月5日、「導電性テザー(EDT)を用いた宇宙デブリ拡散防止装置」を中心に開発を進めていた宇宙デブリ対策事業の終了を決定、当該事業に関連する資産を、宇宙ベンチャーのBULLに譲渡することを決定したと発表した。

BULLはALEで当該事業のマネージャーを務めていた宇藤恭士氏が、「地球内外の惑星間の行き来を『当たり前』に」することをビジョンに、「天体への(再)突入技術を活かし宇宙利用サービスを安価・簡潔に提供」することを目指して2022年11月に設立されたスタートアップ企業。

今回、ALEは経営資源の選択と集中の観点から、宇宙デブリ対策事業を終了することを決定。それに伴い、BULLにALEが保有する宇宙デブリ対策事業関連の資産、知的財産権およびノウハウを7月4日付で譲渡したという。

BULLでは、これまでALEが蓄積してきた技術力および商品力に一定の価値を見出しており、それらの最大活用による持続的な事業成長が期待されるとしているほか、ALEと比べ、より早期の事業化が見込めることもあり、BULLの下での取り組み継続が最善と判断したとしている。

  • 宇宙デブリ対策事業キービジュアル

    宇宙デブリ対策事業のキービジュアル (出所:ALE)

なお、ALEでの宇宙デブリ対策事業は終了するものの、残りの人工流れ星を始めとした「宇宙エンターテインメント事業(SKY CANVAS)」ならびに、地球大気のデータを活用し気候変動の解明への貢献を目指す「大気データ事業」は継続するとのことで、宇宙開発事業者として軌道上環境の維持に努める姿勢に変わりはないとコメントしている。