スウェーデンで個人情報保護およびデータプライバシを監督する政府機関であるIMY (Integritetsskyddsmyndigheten, Swedish Authority for Privacy Protection)は7月3日(現地時間)、「Four companies must stop using Google Analytics」において、監査対象の企業に対してGoogle Analyticsの使用を禁止するよう命じたことを伝えた。監査対象となった企業はCDON、Coop、Dagens Industri、Tele2の4社とされ、監査は2020年8月14日以降のGoogle Analyticsのバージョンに関するものとされている。
スウェーデンでは、Webサイトのトラフィックを測定および分析するツールであるGoogle Analyticsを通じ、企業がどのように個人データを米国に転送しているかに関する監査が実施されている。監査は欧州司法裁判所(CJEU: Court of Justice of the European Union)のシュレムス2号判決を考慮したNone of Your Business(NOYB)と呼ばれるプライバシ保護団体による訴状に基づき行われている。訴状では、各企業が個人データを米国に送ることで法律に違反していると主張されている。
監査ではGoogle Analyticsを通じて米国に転送されたデータは転送された他の固有データとリンクできるため、個人データであるとみなされ、4社が実施している技術的なセキュリティ対策が欧州連合(EU: European Union)/欧州経済領域(EEA: European Economic Area)内で保証されている保護水準に十分に達していないと結論付けられている。
IMYは監査結果からTele2に対して1,200万クローネ(本稿執筆時点で、1クローネは約21円)を、CDONに対して30万クローネの行政処分を下したことを報告している。またCDON、Coop、Dagens Industriに対してGoogle Analyticsの使用を中止するよう命じている。なお、Tele2はすでに自主的にGoogle Analyticsの使用を中止したと伝えている。