大日本印刷(以下、DNP)は7月5日、企業に対する株主の信頼や愛着心(ロイヤルティ)の向上に影響が大きいIR活動とその課題を可視化して、より効果的なIR活動を支援する「DNP IXマネジメントサービス」を7月1日より提供開始したことを明らかにした。なお、同社は「投資を通じて株主が企業と接する体験」をIX(Investor Experience:株主体験)と定義している。
同サービスでは、エモーションテックの「EmotionTech IX」の分析ロジックに基づき、株主のロイヤルティに影響を与える因子(コミュニケーション手法やコンテンツ内容など)を、企業活動関連20項目と、IR活動関連の39項目を独自に設定している。さらに、各項目について調査し分析するための個人株主アンケートを実施する。
その上で、株主のロイヤルティ向上の課題となるIXについて、ロイヤルティへの影響度と改善優先順位を可視化するという。また、IR活動におけるIXを中心に、評価理由を深掘りできるチェック項目を設定して、株主のロイヤルティ向上に寄与する改善の方向性も明確化するとのことだ。株主総会や統合報告書など、株主と企業のコミュニケーションの施策、およびコンテンツについての改善提案にも対応するとしている。
昨今は、個人投資家の増加などを背景として、企業がIR活動を通じて株主とのコミュニケーションの質や企業に対する株主のロイヤルティを高め、長期的な株式の保有につなげることが重要とされている。しかしその一方で、これまでは株主を対象とした調査の結果をロイヤルティ向上やコミュニケーション活性化の具体策に反映しにくい課題があった。
そこで同社は、株主ロイヤルティの向上を支援する「DNP IXマネジメントサービス」の提供を開始する。株主が重要だと考える体験や改善すべきIR活動をスコア化して特定し、その実現に向けたツールやコンサルティングの支援を行うことで、個人株主と企業の対話を促進し企業価値の向上に寄与する狙いがあるという。