仏Yole GroupのYole Intelligenceによると、2022年の先進パッケージング市場規模は22億1000万ドル規模で、今後、年平均成長率(CAGR)40%で成長が続き、2028年までに160億ドルを超す規模に拡大する見込みであるという。
すべての高性能パッケージングプラットフォームの主な技術トレンドは相互接続ピッチを縮小することにあり、TSV、TMV(スルー・モールド・ビア)、マイクロバンプ、、現在もっとも先進的なソリューションとされるハイブリッドボンディングなど、タイプ関係なく当てはまるほか、ビア径とウェハ厚の減少も期待されている。これら技術の進歩は、より複雑なモノリシックダイとチップレットの集積に対応するために重要であり、それらを通じて、より高速なデータ処理と送信を可能にしつつ、低消費電力化も可能となる。さらに将来世代に向けたより高密度な統合と帯域幅を促進することにもつながる。
Intel、TSMC、Samsungなどの大手半導体企業は、先進パッケージング市場の成長をうまく利用し、高性能パッケージングにおいてOSATよりも短い市場投入期間を達成している。この戦略は、OSATに対して間接的ではあるが脅威をもたらすもので、2022年の先進パッケージングサプライヤの売上高ランキングトップ15を見ると、トップは、世界最大のOSATである台ASE(傘下のSPILを含む)、2位は米Amkorだが、3位にIntel、4位にTSMCと半導体メーカーが入ってくる(5位は中JCET、6位はSamsung)。
先進パッケージングはポスト・ムーア時代のキーテクノロジーと見られているが、米中の対立はサプライチェーンを混乱させ、半導体企業のチップや製造装置へのアクセスに影響を与えている。貿易摩擦によるサプライチェーンの変化や生産移転など、サプライチェーンの多様化も進んでいるが、中国での生産能力が増加する可能性もある。
デバイスメーカーが先進パッケージングでの存在感を増しているが、先進パッケージングウェハの65%はOSATが対応しており、そのテストに関する専門知識の拡大を進めることで存在感を増そうとしている。当該分野には、さまざまなプレイヤーが参入してきており、OSATのビジネスを奪おうとしているが、基板の供給がひっ迫しているため、材料の入手難易度が上昇、納期の延長や価格高騰の懸念が出てきている。また、基板のサプライヤは生産能力の拡大を目指しているが、すぐに出来るものでもなく、今後、2~3年間は継続的に供給問題が発生する可能性があるとYoleでは指摘している。