Samsung Electronicsは6月27日(米国時間)、米サンノゼにてプライベートカンファレンス「Samsung Foundry Forum 2023」を開催し、以下の4テーマについて説明を行った。

  • 2nmプロセス(SF2)と特殊プロセスの生産と応用拡大
  • 平沢第3ライン(P3)と米テキサス州の生産能力を拡大
  • 次世代パッケージング技術に向けた「マルチダイインテグレーション(MDI)アライアンス」
  • Samsung Advanced Foundry Ecosystem(SAFE)パートナーとのファウンドリエコシステムの継続的な進歩
  • SFF 2023の様子

    SFF 2023の様子 (出所:Samsung)

2nmプロセスとGaNプロセスを2025年より提供へ

SF2は2025年にモバイル向けに量産を開始し、2026年にHPC、2027年に自動車向けへと拡大する予定としている。SF2は、3nmプロセス(SF3)比で、性能が12%向上、電力効率が25%向上、面積が5%減少となるとしている。

また、1.4nmプロセス(SF1.4)の量産は2027年に開始予定としているほか、2025年より消費者、データセンター、自動車用途向け8インチGaNパワー半導体のファウンドリサービスを開始すること、ならびに2025年上期には6Gに向けた5nm RFプロセスも利用可能となる予定であるともしている。この5nm RFプロセスは、前世代比で電力効率が40%向上するという。さらに、8nm/14nm RFでは車載向けプロセスを追加する予定としている。

サプライチェーンの安定化と生産能力の拡大で顧客ニーズに対応

同社は現在、韓国の平沢と米国テイラーで製造能力の拡充を図っており、その生産能力規模は現在の計画では2027年までに2021年比で7.3倍増となる予定。2023年下期中に平沢キャンパスLine 3(3号棟)でモバイル向けの量産が開始される予定のほか、テイラーの新工場も2023年末までに建設が完了し、2024年下期には稼働を開始させる予定としている。さらに、韓国の龍仁に新たな生産拠点を設けることも計画している。

このほか、同社はモバイルおよびHPC向けチップレットの需要増に対応するために、パートナー企業やメモリ、基板、パッケージング、テスト企業などと協力してMDI(Multi Die Integration)アライアンスを立ち上げている。MDIアライアンスは、2.5Dおよび3Dの異種統合パッケージング技術エコシステムを形成することを目的にしたもので、Samsungとしてワンストップのターンキーサービスを提供することを目指しているという。

パートナーと協力してファブレスサポートを強化

Samsungは6月28日にも「イノベーションのスピードの加速」をテーマに「Samsung Advanced Foundry Ecosystem(SAFE)フォーラム」というイベントを開催し、EDAや設計ソリューションパートナー(DSP)、OSATなどのパートナーと協力して、顧客の成功を推進するファウンドリ エコシステムの相互成長を推進する姿勢を強調。それらパートナーと協力して、2.5D/3Dパッケージング設計ソリューションを開発しているとするほか、SF2向けにLPDDR5x、HBM3P、PCIe Gen6、112G SerDesなど、新たな次世代高速インタフェースIPを確保する予定で、今後もIPプロバイダー各社との長期的なパートナーシップにより、AI、HPC、自動車分野の顧客ニーズに応えることができるようにするとしている。