日立製作所(日立)のグループ会社で鉄道システム事業を手掛ける日立レールは6月29日、ハワイ州ホノルルにおいて、米国初の完全自動運転都市鉄道システム「スカイライン」の第1期区間の完成と、旅客サービスの開始を発表した。
車両は1編成あたり4両で構成され、計20編成が運行される。1編成あたりの定員は約800人で、列車の全長は約79メートル。路線は完全に電化されており、化石燃料による自家用車から持続可能な交通機関に移行することでCO2排出量削減にもつながる見込みだ。
このプロジェクトの第1期区間は6月30日(ハワイ時間)から乗客に開放される。高架鉄道はイースト・カポレイ駅からアロハ・スタジアム駅まで9つの駅を結び、約17.7kmキロメートルに及ぶ。今後数年間にさらに二段階に分けて建設が進められ、ダニエル・K・イノウエ国際空港など、さらに先の駅へ旅客サービスが提供される予定とのことだ。
新路線は、ホノルル高速鉄道輸送機構およびホノルル交通局が運用し、米国で運行を開始する主要な都市鉄道システムとしては1993年以来という。日立レールは車両や鉄道システムの設計・製造、試験および安全認証、システムの運用および保守といった役割を担う。
オアフ島の東西の交通路線は現在渋滞がひどいことで有名で、移動に多くの時間がかかっていたという。日立レールは、同システムの全区間が完成すれば、市内の混雑した通りや高速道路における推定1日あたり4万台の自家用車の移動(高速道路8車線分に相当)が鉄道に移行すると試算している。