TSMCが、ゲート・オール・アラウンド(GAA)構造を採用した2nmプロセスの提供に向け、潜在的な大口顧客と受注に関する初期的な交渉を開始したと台湾メディアが報じている。
それによると、TSMCと関係を持つファブレス企業の関係者の話として、同プロセスのウェハ単価は2万5000ドル近くだとことで、6/7nmプロセスのウェハ単価が約1万ドル、4/5nmプロセスのウェハ単価が約1万6000ドル、3nmプロセスのウェハ単価が約2万ドルとされており、それらよりもさらに高くなることになる。ただ、2nmプロセスを他社に先駆けて必要とする顧客は限られており、Appleを中心とする大量注文の顧客には割引が適用される模様だという。
TSMCの先端プロセスを活用してきた大口顧客であるAppleやNVIDIAなどは、TSMCとの長期的なパートナーシップを確立または維持する見込みであるともしている。
なお、TSMCでは、すでに2nmプロセスを用いた試験生産を開始しており、2024年中にも新竹のFab20でリスク生産を開始させ、2025年に量産展開する計画であると同社経営陣が株主総会や決算説明会の席で繰り返し述べている。競合するSamsungやIntelも近い将来、2nmプロセスでの生産を開始する計画であるが、半導体の需給バランス次第では、需要の掘り起こしや顧客の確保ができず、投資費用の回収が難しくなる可能性もあるとの見方もでている。