中外製薬は6月27日、革新的新薬を核とするイノベーション機会の加速を目的として、創薬スタートアップ企業への投資を実施するため、2023年中にCVC（コーポレートベンチャーキャピタル）「Chugai Venture Fund, LLC（仮称）」をマサチューセッツ州ボストンエリアに設立することを発表した。

同社が今回設立するCVCは、革新的新薬の創出が見込める創薬標的や、創薬技術またはデジタル技術をはじめとして、中外製薬独自の創薬基盤の拡充が期待できる技術を保有する創薬スタートアップ企業を主対象として、総額2億米ドルの枠内で投資を実施する。

これにより、主にアメリカやヨーロッパ地域、および日本における優秀な起業家や、高いポテンシャルを有する技術へのアクセスを強化する狙いがあるという。このCVCは、技術アドバイス支援や中外製薬とのパートナリングを推進するなど、投資先との共創を促して中外製薬の強みと外部技術の融合による新たな価値創造を目指すとしている。