スノーフレイクとNVIDIAは6月26日、年次のユーザーカンファレンス「Snowflake Summit 2023」において、企業の独自データを使用したカスタム生成AIアプリケーションの作成を、Snowflakeデータクラウド内部で安全に実施する手段の提供に向けた提携を発表した。
Snowfllakeは、大規模言語モデル(LLM)開発用のNVIDIA NeMoプラットフォームとNVIDIA GPUをベースにしたアクセラレーテッドコンピューティングを利用し、チャットボットや検索、サマリ生成などの高度な生成AIサービスのためのカスタムLLMを、企業が自社Snowflakeアカウント内のデータを活用して安全に作成することを可能する。
データを移動せずにLLMをカスタマイズできることで、企業の独自データのセキュリティとガバナンスがSnowflakeプラットフォーム内で完全に保証されるとしている。ユーザー企業は2社のコラボレーションを利用し、独自データを使用して自社業務に特化したアプリケーションやサービス向けカスタムLLMの作成と微調整ができるようになる。
SnowflakeとNVIDIAのAI技術の融合により、ユーザー企業は多様なユースケース向けに、生成AIをビジネス領域に活かすカスタマイズアプリケーションの構築、デプロイ、管理を簡単に行えるようになる。データクラウド上でAI機能を拡張することで、ガバナンスされたデータが今ある場所でそのまま生成AIアプリケーションを作成できるため、ユーザー企業はデータのセキュリティを維持しながらコストとレイテンシーを大幅に削減できるとしている。
スノーフレイクの会長兼CEOのFrank Slootman氏は、「SnowflakeとNVIDIAのパートナーシップにより、私たちの持つ膨大な独自データおよび構造化エンタープライズデータに高性能な機械学習と人工知能を適用できます。これは、グローバルビジネスの世界にかってない強力なインサイト、予測、処方をもたらす新たなソリューションとなるでしょう」と述べている。
NVIDIAの創業者兼CEOであるJensen Huang氏は、次のようにコメントしている。「あらゆる企業の複雑な業務や独自の声を理解する生成AIアプリケーションの作成において、データは不可欠な要素です。NVIDIAとSnowflakeは共同で、企業が自らの貴重なデータをカスタム生成AIモデルに変換して画期的な新しいアプリケーションに変えるAIファクトリーを、すでにこれらの企業がビジネスに常に使用しているデータプラットフォーム上に直接構築します」