NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアらドコモグループ3社は6月26日、社員のアイデアを事業化する新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」を7月1日から開始することを明らかにした。同グループ内での事業アイデアを初期検証した後に、社内外の資本やメンバーの協力を得てスピンオフまたはスピンアウトによってスタートアップを排出する。
同グループが今回開始するdocomo STARTUPは、「COLLEGE」「CHALLENGE」「GROWTH」の3つのプログラムで構成されるという。「COLLEGE」では、新規事業の創出に関するスキルやマインドを身に付ける。自ら応募して厳選された事業アイデアについては、伴走支援によりブラッシュアップする事業アイデアコンテスト「CHALLENGE」へと参加する。
「CHALLENGE」で一定の事業性が確認できた事業アイデアは「GROWTH」へと進み、検証予算やメンタリングなどの各種支援を通じて事業の成長を加速する。なお、このフェーズでは、事業アイデアやチームの描くビジョンに共感し、ポテンシャルを感じている社外パートナーらとも共創するとのことだ。
「GROWTH」において成長の可能性が見込める事業アイデアは、ドコモグループからのスピンオフやスピンアウトによって会社設立も可能だとしている。従来から設けていたドコモグループの子会社としてスピンオフする仕組みに加えて、ドコモグループがマイナー出資者となりスピンアウトする「STARTUPコース」を新たに導入するようだ。
「STARTUPコース」では、起案者の持分比率を高めつつ社外からの出資や融資も含めて資本政策を検討するなど、オーナーシップを持った経営が可能だという。これにより、従来以上に柔軟な意思決定と機動的な事業推進を促す狙いがあるようだ。スピンアウト後は、スタートアップと同様の環境で事業の成長を図る。経営者としての経験を積み、その経験がグループに還流されることを期待しているとのこと。
また、「STARTUPコース」の適用に際しては、事業アイデアを検討するチームメンバーはドコモグループから出向もしくは辞職の選択が可能だ。辞職の場合でも、仮にスピンアウト後に事業撤退が決定された場合にはグループへの復職が可能で、チャレンジに伴うリスクを軽減しているようだ。
事業アイデアによって外部資本を獲得した社員に対しては、企業が実施している新規事業創出コンテストとしては最高水準となる報奨金300万円を授与するという。ドコモグループは、新規事業創出への取り組み意欲を喚起し、チャレンジする文化の醸成を目指す。