大日本印刷(DNP)は6月19日、現実(リアル)の施設等の建築と並行して、建築用のデータを基に高精細なバーチャル空間「メタバース」を構築し、両空間の連動による企業と生活者のコミュニケーション等を支援するサービスを6月に開始することを発表した。

  • 現実(リアル)の施設(左)と仮想(メタバース)の施設(右)

    現実(リアル)の施設(左)と仮想(メタバース)の施設(右)

同サービスでは、建築関連の3次元データに加え、各室の名称・面積、材料・部材の仕様などの属性情報をあわせ持つBuilding Information Modeling(BIM)データやCADデータ、3次元座標値・色情報で構成される「点群データ」など、さまざまな建築・設計データを基に、最短2カ月からメタバースを構築することが可能だという。

最大1,000名までメタバースに同時に参加でき、就職説明会や国内外の社員が一堂に会する大型イベント等に利用可能。参加者同士が会話できる音声チャットや画面共有の機能やイベントに合わせたクイズパネル等の機能も提供する。また、今後はDNPが開発中の、生活者個人を特定するアイデンティティ情報とアバター情報の管理・認証を可能にする「PARALLEL ME」を連動させて、利用者の個別認証も可能にしていく予定だという。

  • DNPの社内イベント“未来づくりミーティング”での利用イメージ

    DNPの社内イベント“未来づくりミーティング”での利用イメージ

また、同サービスでは、メタバース参加者の属性や利用回数、コンテンツ視聴回数等を把握・分析可能。メタバース上で関心が高かったコンテンツや体験企画等を参考にして、リアルの施設を活用した企画の設計やマーケティング、各種イベントとの連動が可能になるという。

価格は、メタバースの初期構築費が 800万円~、メタバースの運用費は50万円~(1日で100人規模の利用者を想定)。なお、メタバースを構築する施設の規模や内容、提供するイベントなどの体験内容によって価格は変動する。

DNPは今後は、メタバース参加者のアバター生成の機能と連動させ、外見・特徴・属性情報等がわかる機能の拡充や、オンライン会議等のコミュニケーションツールとの連携を目指すとしている。

 

建築データから高精細バーチャル空間を構築