文部科学省(文科省)は、2024年度本格稼働予定の次世代放射光施設(通称「ナノテラス」)の利用説明会を、6月26日の仙台市の東北大学構内を皮切りに、全国8都市で開催することを踏まえ、その8都市にある各大学での利用説明会参加者の募集を開始した。

  • ナノテラスの利用説明会の日時と場所

    文科省が開催する次世代放射光施設ナノテラスの利用説明会の日時と場所 (出所:ナノテラス利用説明会案内PDF)

次世代放射光施設(ナノテラス)は、2keV以下の軟X線を従来の国内施設の100倍ほどの明るさで照射できる放射光施設として、2024年3月末までに稼働する予定で、この次世代放射光施設は革新的電池や省電力半導体、低環境負荷材料などといった近未来の研究開発を加速する有力な観察手段として期待されている。

ナノテラスは、一般財団法人の光科学イノベーションセンター(仙台市)、宮城県、仙台市、東北大、東北経済連合会の5機関と、文科省傘下の量子科学技術研究開発機構が総額380億円を出資して建設中の大型施設であり、稼働も間近に迫ってきたこともあり、日本の有力大学の研究者たちに利用してもらうことを目的に今回、8都市(8大学)にて利用に向けた説明会を開催することにしたという。

各回の日時と大学キャンパスは下記の通り。専用Webサイトを介した事前登録制で、申し込みは先着順。登録締め切りは各回開催の24時間前までとなっており、オンライン傍聴も可能となっている(各回定員500名)

  • 6月26日(月曜日)13時30分~15時30分:東北大学 青葉山キャンパス 青葉山コモンズ2階農学部大講義室(定員290名)
  • 6月28日(水曜日)13時00分~15時00分:東京工業大学 大岡山キャンパス ディジタル多目的ホール(287名)
  • 7月5日(水曜日)13時00分~15時00分:立命館大学 大阪いばらきキャンパス イベントホール(定員300名)
  • 7月13日(木曜日)13時30分~15時30分:名古屋大学 東山キャンパス 坂田・平田ホール(定員300名)
  • 7月18日(火曜日)13時00分~15時00分:北海道大学 札幌キャンパス 工学部フロンティア応用科学研究棟 レクチャーホール「鈴木章ホール」(定員230名)
  • 7月26日(水曜日)13時00分~15時00分:広島大学 霞キャンパス 凌雲棟R501講義室(定員440名)
  • 7月28日(金曜日)13時00分~15時00分:筑波大学 筑波キャンパス 大学会館ホール(定員250名)
  • 7月31日(月曜日)13時00分~15時00分:九州大学 伊都キャンパス 稲盛財団記念館稲盛ホール(定員280名)

光科学イノベーションセンターの高田昌樹理事長(東北大の国際放射光イノベーション・スマート研究センター 教授を兼務)は「この次世代放射光施設はカーボンニュートラル時代のイノベーションを加速する施設だ」と解説しているほか、「この次世代放射光施設の各先端計測装置から生まれる膨大が画像データなどのデジタルデータ(60PB級と推定)を活用するデータ利用施設も整備する計画を実施中」ともしている。

  • 光科学イノベーションセンターの高田昌樹理事長

    光科学イノベーションセンターの高田昌樹理事長