台湾の製造業連合組織である「中華民国全国工業総会(工装:CNFI)」が中国に進出する「台商」(海外で事業展開する台湾系企業)を対象に行った調査によると、米中貿易戦争やロシアのウクライナ侵攻の影響を受け、54.6%が「中国以外の地域への投資を増やす」と回答した一方、89.9%が「中国の生産ラインやサプライチェーン(供給網)を移転しない」と回答し、中国からの撤退を考えているのは10.1%にとどまったとする結果を複数の台湾メディアが報じている。

台湾企業による中国に対する今後3~5年の投資計画のスタンスは以下の通り。

  • 増やす:12.1%
  • 変わらない:63.6%
  • 減らす:24.3%

中国への投資を減らす理由(複数回答)は、以下の通りとなっている。

  • 人件費上昇:59.1%
  • 現地企業との不当な競争:40.5%
  • 用地や租税コスト増大:22.6%
  • 優遇措置の縮小、台商への差別:22.2%

中国の投資環境については以下の通りの回答となっている。

  • 楽観:31.5%
  • 中立:47.8%
  • 悲観:20.7%

なお、中華民国全国工業総会では、中国に生産拠点を置く台湾製造業の大半が、中国市場の長期的な発展に対し依然として楽観的な見通しを持っていることや、多くの台湾メーカーが中国以外の国・地域で中国同様の生産環境やサプライチェーンを探すのは容易ではないと判断していることを示すものだと指摘している。 以上