東陽テクニカは6月14日、メリテックが開発したLTE/5G(第5世代移動通信システム)/ローカル5Gモバイル・ネットワーク・モニター「Sigma」シリーズの最新モデルである「Sigma-One」を販売開始する。
5Gの拡がりと同時に、エンドユーザー側では「電波が見えない」「電波は見えるが通信がつながらない」といった問題が発生しているといい、5G/ローカル 5G事業者はその対応が求められているとのこと。
Sigmaシリーズは、日本で開発したLTE/5G/ローカル5Gモバイル・ネットワークのモニター製品といい、スマートフォンやデバイスの実機と基地局の間の通信ログを収集し、無線品質やスループットなどを観測して電波や問題事象を可視化する。
無線のスペック、挙動、アンテナ利得などは端末により異なり、これにより無線品質やスループットも変動するため、エンドユーザーが実際に使用するスマートフォンやデバイスによる観測は非常に重要といい、国内外の通信事業者が同シリーズを利用している。
Sigma-Oneは同シリーズの最新モデルで、狭い場所や空中でも使用できるよう超小型化を実現した。小型PCに実デバイスをUSB接続し、LTE/5G/ローカル5Gなどの無線データを収集する。
本体のサイズは13×8×2cmで、重量は230g。無線情報(RSRP/RSRQ/SINR など)のデータ収集が可能であり、リモートでの自動化測定に対応しFTP/Ping/iPerfテストなどを標準で実装する。モバイル・バッテリーで駆動し、ACアダプタ/USB PD充電器での駆動も可能。
スマートフォンやルータ(CPE)、TCU(テレマティクス制御ユニット)など多様な実デバイスに接続できるため、ネットワークの無線品質測定を始め、場所の制約により従来は難しかったというコネクテッドカーと基地局間の通信モニターなども可能になる。
制御は全てメーテックのサーバ・ソフトウェア製品である「Centra-SD」と連携し実行す るため、遠隔無人で測定やモニタリングが行えるとしている。
なお同社は同製品を、6月14日から千葉市の幕張メッセで開催する「Interop Tokyo 2023」に出展すると共に、会場内の複数箇所に同製品を設置してShowNet 5Gネットワークの無線品質やスループットをリアルタイム観測するとのことだ。