BetaNewsは6月10日(米国時間)、「 The misconceptions around ChatGPT and the potential threat it poses to Google and other search engines」において、企業におけるChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)技術の活用にまつわる課題について指摘した。企業におけるこうした技術の活用は初期段階にあり、多くの企業が活用方法を考えあぐねている。BetaNewsはこうした状況が生まれているの原因を指摘するとともに、企業にとって適切な技術について説明されている。
大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)技術に基づくChatGPTのような技術は自然言語による問い合わせに自然言語で答えてくれる。最大の問題はこの技術がごく自然に嘘をつくこととされている。その利便性は誰しもが経験することだが、嘘もごく自然に取り込んでくる。これが企業における採用を躊躇させている原因の一つと指摘されている。
ChatGPTのGPT-4モデルで使われている学習データは2021年9月までのインターネット上の情報とされている。したがって、この日付よりも新しいデータに関しては基本的に答えることができない(ただし、最近Webからデータを取得する機能が追加されたためその限りではなくなっている)。
一方、ChatGPTと同じ技術を利用するGoogle Bardや新しいMicrosoft Bingは、リアルタイムなデータに対して質問を行い答えを得られる。これは従来の検索エンジンの結果として得られたコンテンツに対して、LLM技術ベースの処理を行うことで実現している。BetaNewsはGoogle Bardや新しいMicrosoft Bingのアプローチを企業検索に適用することが、企業におけるこうした技術の活用につながると指南している。
こうした技術が嘘をつく背景には、データが足りていないことや、対象となる企業に関するデータが十分ではないことに原因があるとされている。よって、従来の企業検索の結果をLLMベース技術にかけて自然言語で回答を得る仕組みを実現すれば、企業レベルで活用できるクオリティを実現できると説明されている。
また、こうした技術が人工知能(AI: Artificial Intelligence)革命の始まりにすぎないことを覚えておくことが大切とも指摘されている。今後数年間でより高性能なモデルの開発が続き、現時点では予測することさえできない新しいアプリケーションが登場する可能性もあるという予測が示されている。