ThousandEyesは、「Is Spring Cleaning Causing an Outage Spike?」において、過去2週間のインターネット上の障害やトレンドを分析したレポートを公開した。最新の障害発生状況や興味深い障害について紹介されている。
ここ数週間のインターネット接続障害に関して、5月初旬に観測された急激な障害件数の後はほぼ横ばいとなっている。初期の障害件数は「大掃除」のようなものとされ、2021年、2022年、2023年の同時期にも発生している。この恒例の障害は多くのIT企業がこの時期にインフラのメンテナンスや追加作業を行うために発生していると考えられている。
過去2週間で発生した主な障害は次のとおり。
- Twitter Spacesの障害:5月24日に行われたRon DeSantis州知事の大統領候補者発表イベントで、技術的な問題が発生。ストリームへの入り口がボトルネックになっている可能性が高く、ストリームインフラ自体が同時アクセス数をサポートできていない可能性が高いと分析されている
- 定額制ストリーミングサービスMaxの障害:5月23日の開始時にいくつかの問題が発生し、ユーザーがアクセスできないストリームが発生。サービス開始時に大勢の顧客が試しにサービスを利用したことが原因と考えられている
- Microsoft 365の障害:5月23日にoffice.comおよびMicrosoft 365のサービスにおいて、コンテンツのレンダリングに問題が発生し、ユーザに影響を与えた。また6月5日にもMicrosoft 365に障害が発生。27時間以上にわたってユーザーは接続タイムアウトを経験している
- Slackの障害:5月17日に同サービスに接続しようとするとエラーメッセージが表示される事象が発生。負荷によるものとされ、誤操作による運用変更でアクセスできなくなった
- Instagramの障害:5月21日にInstagramにアクセスできない状態となった。バックエンドに問題があり、サーバ側に問題が発生したとみられている
- AppleのiMessage問題:5月23日にAppleの一部のユーザーがiMessageで添付ファイルを送信またはダウンロードできなくなった。この問題は、Appleのインフラの特定のサブセットのみ影響を与えたと報告されている
過去2週間のグローバルトレンドも紹介されている。主なトレンドは次のとおり。
- 世界的な障害発生件数は、5月15日から21日の174件から5月22日から6月4日の170件(2%減)とわずかに減少し、その後はほぼ安定した
- 米国では障害件数が増加し続け、5月15日から21日の71件から6月4日までに78件(10%増加)となった
- 米国の障害は全体の障害の47%を占め、過去数週間にわたって増加傾向となっている
- 5月の世界全体の障害件数は4月に比べて27%増加し、米国でも32%増加した
障害件数は米国で増加傾向が続いており、米国を中心とした障害が全体の障害数の大部分を占める状況が続いていると伝えている。