神戸市は6月9日、地域防犯活動支援策の1つとして、AI(人工知能)による犯罪予測技術を用いた防犯パトロール支援アプリである「パトコミュ」のAIパトロール実証実験を順次開始した。
パトコミュはSingular Perturbationsが開発したモバイル・アプリで、同社がAIを用いた犯罪予測技術「CRIME NABI」により効率的な防犯パトロール・ルートを作成するという。同氏は同社とAIパトロール実証実験に関する協定を締結しているとのこと。
実験は、防犯パトロールに取り組む生田防犯協会、日本ふれパト協会、神戸常盤大学の協力を受け、使用感や有用性に関して実証する。期間は8月下旬までの予定で、実施時期は協力団体により異なる。
パトロール・ルートは、パトロールする距離を指定し、必ず通過する必要がある地点を選ぶと、最適なパトロール経路を自動で作成するという。
指定した地点を通りつつ、犯罪の発生が予測される箇所を指定した距離内でなるべく通るような経路を作成するため、より犯罪抑止効果の高いパトロールが可能になるとのこと。
作成したルートを参考にパトロールを開始すると、GPSによる位置情報を基に実際にパトロールした経路を自動で記録し、表示する。また、パトロール中に発見した落書きや不法投棄などの情報は、スマートフォンで撮影して記録可能という。こうして実施したパトロールは、アプリ上で電子日報として保存可能とのこと。
作成した電子日報はグループ内で共有でき、管理者はOCのブラウザからリアルタイムでパトロール記録の確認を即座に可能とのこと。これらの情報はクラウド上に蓄積するため、データの分析や検索が容易になるという。
また、過去の複数のパトロール実績や犯罪予測データを照らし合わせて分析し改善することで、積極的な防犯パトロール業務が可能としている。