ファウンドリ大手のGlobalFoundries(GF)と欧州半導体大手のSTMicroelectronicsは、共同運営を予定している仏クロルにおける新たな300mmウェハ工場建設に向けた契約を正式に締結したことを発表した。

両社は新工場に対する設備投資、メンテナンスおよび付帯費用として、全体で約75億ユーロを見込んでいるとしており、仏政府(Bpifranceが管理)による多額の助成金を受ける予定だとしているほか、この支援措置について「European Chips Act(欧州半導体法)」の目標に沿ったもので、「フランス2030」計画の一部として実施されることになると説明している。

なお、今回の正式決定についてGFの社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるThomas Caulfield氏は、「STのクロル工場と協力をはかり、急速に進化する欧州の技術エコシステムにおいてGFのプレゼンスをさらに強化するとともに、経済規模を生かし資本効率の高い方法で生産能力の増強を図り、両社で今後数十年にわたり車載、IoT、モバイル・アプリケーション向けに高い需要が見込まれる顧客ニーズに合わせ、市場をリードするGFのFDXテクノロジーや、STの包括的な技術ロードマップを提供していく」と説明している。一方のSTMicroelectronicsの社長 兼 最高経営責任者(CEO)であるJean-Marc Chery氏も、「STとGFは、欧州およびフランスのFD-SOIエコシステムを強化していくことで、車載、産業、IoTおよび通信インフラを含む主要なエンド・マーケットにおいて、複雑かつ先進的な技術を必要とし、デジタル化や脱炭素化への移行を進める欧州ならびにグローバルな顧客向けの生産能力の拡張を果たす」とコメントしている。