三菱電機は、6月6日から9日まで東京ビッグサイトで開催されている世界最大級の食品製造総合展 「FOOMA JAPAN 2023」で、同社グループの総合力を活かした省人化および省エネ化技術を食の現場で実装することを目指した、同社製品ラインナップを活用したソリューションの提案を行っている。

食品製造業では従来からの労働人口の減少に加え、コロナ渦により人手不足が加速、深刻な問題になっている。そうした中で省力化を支え、生産性向上や設備・品質などの管理業務効率化をサポートするとされているのが、同社が提案する協働ロボット「MELFA ASSISTA」だ。

  • 協動ロボット「MELFA ASSISTA」

    協動ロボット「MELFA ASSISTA」

MELFA ASSISTAは、協働ロボットであるため、これまで必要だった安全柵がなくても人と同じ空間で共同作業ができるほか、タブレットにタッチ操作するだけで簡単にプログラミングできるため、初めてロボットを使う人でもすぐに使うことができるという特徴がある。さらに、ハンドやフィンガー、カメラなどさまざまなアクセサリも用意されているため、使う用途によってカスタマイズができ、スムーズに作業の自動化を実現することができるとしている。

今回デモが行われていたのは、コンビニやスーパーで売られているような惣菜を仕分けする様子だ。このロボット設備にはさまざまな企業の技術を結集させており、Intelの3Dカメラ「RealSense D415」を用いてどのような惣菜があるのか、どのくらい空きスペースがあるのかなどを認識し、イシダのダイナミック計量システム「IMAS-G」で重さを測り、オプテックス・エフエーの非接触エリア温度計「Xi80シリーズ」で、惣菜の温度や中に金属が混入されていないかを検知してから仕分けをするといった仕組みを構築していた。内容量が少なかった場合、もしくは多かった場合や、異物が混入していた場合に、対象の惣菜をはじくことができる仕組みだという。

さらに、キヤノンの生産設備向け画像解析ソフトウェア「Vision Edition2」で画像解析を行うことで、容器の凹みなども検知できるほか、こうしたデータを三菱電機システムサービスの製造品管理システム「SA1-III」を活用しながら分析することで、見える化することもでき、それによる品質改善も可能となるとした。

  • 三菱電機システムサービスの製造品管理システム「SA1-III」

    三菱電機システムサービスの製造品管理システム「SA1-III」

三菱電機では、人手不足解消に貢献するとされるこのシステムを今後本格的に販売していきたいとしており、すでに複数のコンビニの仕分け工場やパン工場から打診があることをブース担当者は語っていた。

また、近年世界的なエネルギー価格の高騰などに伴う電気代の高騰を踏まえ、同社ブースではエネルギー効率のよい省エネ機器やカーボンニュートラルの実現に向けた熱源転換、温室効果ガス排出量削減技術を用いた製品なども展示しており、店舗や工場の省エネ化についての提案も行っている。