米国半導体工業会(SIA)が2023年4月の半導体市場における月間売上高(3か月移動平均)を発表した。
それによると4月の売り上げ規模は400億ドルとなり、前年同月では21.6%減となったものの、前月比では0.3%増となり、2023年3月も前月比0.3%増であったことを踏まえると、わずかとはいえ2か月連続でプラス成長となったということは、長く続いてきた市場の減速に歯止めがかかったと見る向きもでてきている。
NVIDIAが生成AI向けGPUの需要で急速に売り上げを伸ばしつつあるなど、今後は新たなアプリケーションに対する半導体需要などの伸長により景気の回復が期待されている。
また、地域・国別で見ると、前月比は中国が同2.9%増、日本が同0.9%増とプラス成長を記録した一方で、欧州が同0.6%減、米州が同1.0%減、アジア太平洋/その他が同1.1%減となっているほか、前年同月比で見ると、欧州が同2.3%増となった以外、日本が同2.3%減、米州が同20.5%減、アジア太平洋/その他が同23.9%減、中国が同31.4%減とマイナス成長を記録している。
なお、SIAプレジデント兼CEOのJohn Neuffer氏は、「世界の半導体市場は、マクロ経済の低迷によって悪化し、循環的な低迷が続いているが、4月の売上高は前月比では2か月連続でわずかながら増加しており、この結果は、おそらく今後数か月にわたる継続的な回復を予兆するものとなる」との見解を出している。