Celonis(セロニス)は6月7日、プロセスマイニングをテーマにしたメディア向け勉強会を開催した。

プロセスマイニングの概要や国内企業の活用事例とともに、同社が提供するプロセスマイニングツールの製品アップデートなどが勉強会では紹介された。

【関連記事】
≪ServiceNow、Now Platformの最新版「Utah」の新機能を解説≫
≪DXを進める核となる推進組織「CoE」の構築・運用のポイントとは?≫

イベントログに基づいて業務フローを分析

プロセスマイニングは、情報システムや業務システムから抽出したイベントログに基づいてビジネスプロセスを分析する手法だ。

Celonisはプロセスマイニングと、データを基にした業務の自動実行・管理が可能なクラウドプラットフォーム「Celonis Execution Management System(EMS)」を提供している。 Celonis 代表取締役社長の村瀬将思氏は、「業務量の増大に合わせて社員を増やすことが難しい中で、さまざまな企業が業務のボトルネックを見つけて解決し、生産性を向上させることを課題としている。当社はプロセスマイニングで見えない非効率を明らかにすることで、企業が抱えるそうした課題の解決を支援している」と述べた。

  • Celonis 代表取締役社長 村瀬将思氏

    Celonis 代表取締役社長 村瀬将思氏

勉強会ではOrder to Cash(オーダートゥキャッシュ)と呼ばれる受注から売上金の回収までの業務を例に、プロセスマイニングの流れが解説された。同業務では多くの場合、複数のシステムにまたがっているログデータを収集する。プロセスマイニングでは伝票番号やID、業務で実際に実行したアクティビティ、タイムスタンプ(処理日時)を関連付けすることで、業務の流れや業務完了までにかかった期間などを可視化できる。

「Celonis EMSでは、機械学習などの技術を用いて非効率な業務の原因を解析できる。複数拠点のプロセスパターンを比較したり、標準モデルから逸脱するフローから根本原因を特定したりすることも可能だ」と村瀬氏。

勉強会では、企業の調達部門における購買業務を仮定した同社の製品デモも行われた。例えば、物品の購買発注依頼から明細の送付、物品入庫、請求書の消し込みが行われるという業務プロセスにおいて、同社製品でプロセスマイニングをすることで、価格変更が発生するプロセスが通常のプロセスに比べて件数は少ないものの2倍の時間がかかる、ということをタイムスタンプなどのデータに基づいて示せるという。

  • Celonis EMSのデモ画面

    Celonis EMSのデモ画面

製造業の保守業務では部品配送の無駄を可視化

Celonisは、プロセスマイニングを使いこなせる人材を増やすべく、エグゼクティブクラスの情報交換会である「CxO Club」や、ユーザー会などのコミュニティ活動を実施している。

勉強会では、国内で開催されたCxO Clubにて共有されたCelonis EMSを使ったプロセスマイニングの活用事例が紹介された。

ある大手製造業の保守部門では保守業務において部品の緊急配送を行っていたが、プロセスマイニングにより保守担当のエンジニアが到着して作業を開始する日よりも早く部品が届いているケースを発見。緊急配送が不要なケースを通常配送に置き換えることによって、5カ月で約7000万円のコスト削減を実現したという。

この記事は
Members+会員の方のみ御覧いただけます

ログイン/無料会員登録

会員サービスの詳細はこちら