KDDIは6月8日、インターネットを接続するバックボーンネットワークにおいて、ハードウェア・ソフトウェアともに複数ベンダーの組み合わせが可能な「オープンルーター」の商用運用を同月5日から開始したことを発表した。

同ルータはホワイトボックス化によりオープン化しており、従来のルータと比較して約50%の低消費電力化と約40%の小型化を実現している。また、Telecom Infra Project(TIP)で認定されており、通信事業者での商用運用は国内初、世界では2例目になるという。今後、同社は、同ルーターの導入を拡大し、バックボーンネットワークのオープン化を目指す。

  • 従来型ベンダールータとホワイトボックス化したルータの構成比較

バックボーンネットワークには、コア、エッジ、ピアリングなどさまざまな領域が存在しており、従来はそれぞれの領域ごとに異なる機種のルータを利用することが一般的とされてきた。従来のルータの構成はベンダーに依存しており、ハードウェアとソフトウェアを柔軟に選択できなかった。

これに対し、同ルータではホワイトボックス化によりオープン化しているため、同社が必要とする機能に合わせた最小限の構成として、Broadcom, Inc.社製大容量汎用ハードウエアチップ1枚での構成が可能となり、これにより、低消費電力化、機器コスト低減および小型化を実現した。また、インタフェース仕様がオープンであるため、それぞれの領域において同じハードウエアを使用することが可能。これにより、各領域の予備品の共通化が可能となり、機器コストの削減に寄与するという。

  • ハードウエア共通化による従来ルーターと新ルータの比較