頭痛についての調査と分析
ソフトバンク子会社のヘルスケアテクノロジーズ(HT)は全国の20~60代の男女を対象とした「梅雨時期の不調に関する調査」と「頭痛に関する意識調査」を実施し、その調査結果をもとにした分析結果を5月29日に発表した。
「梅雨時期の不調に関する調査」の対象者は20~60代の男女1098名。調査項目の1つとして「梅雨時期の不調として、ご自身にあらわれる症状にはどのようなものがありますか」という質問を実施したところ、1位が頭痛(19.3%)という結果となったとした。
また、全国の頭痛症状があると感じている20~60代の男女1113名を対象に実施された「頭痛に関する意識調査」では、「梅雨の時期に頭が痛くなるのは、1週間のうち平均何日程度ですか」という質問に対して、4日・5日・6日・毎日のいずかを選んだ人が合計で35.6%ほどと、約3人に1人は1週間のうち半分以上を頭が痛い状態で過ごしていることが判明。特に「毎日頭が痛くなる」と答えた人の割合は10.3%と、頭痛症状があると感じている人の10人に1人は、梅雨の時期、毎日頭痛を抱えた状態で過ごしていることが分かったとした。
さらに、頭痛症状があると感じている人を対象にした「頭痛が原因で、丸一日何もできなかったことはありますか」との質問では、「何度もある」が37.6%、「一度だけある」が17.9%という結果となったほか、「頭痛が原因で、予定をキャンセルしたことはありますか」という質問に対しても、「何度もある」が38.5%、「一度だけある」が 19.3%と、6割近くの人が頭痛が原因で何もできない日や、予定をキャンセルした経験があることが分かったという。
大きく2つに分けられる頭痛の種類
このように、特に梅雨時期には頭痛に悩まされている人が多くいることがみえてきたが、頭痛という言葉でひとくくりに考えてはいないだろうか。
実は頭痛には大きく分けて、主な症状が頭痛であり慢性頭痛と呼ばれることもある「一次性頭痛」と、何らかの病気が原因の「二次性頭痛」の2種類に分けられる。
二次性頭痛はくも膜下出血や副鼻腔炎、緑内障などの原因がはっきりとあるのに対して、一次性頭痛は痛みの原因がはっきりと自身で判断しづらい場合が多い。
一次性頭痛の種類には、筋肉のこりや血好不良が原因の緊張型頭痛や、血管が拡張して神経を刺激してしまうことによる片頭痛、決まった時間に何らかの理由で神経が刺激されることで生じる群発頭痛などがあり、中でも緊張型頭痛は患者数が増加傾向にあるとされている。近年、増えている背景にはPCやスマートフォン (スマホ)利用頻度の増加などが関わっていると考えられており、それら電子機器と切り離した生活が考えられない現状、まさに現代病といえる症状となっている。
なぜ梅雨の時期に頭痛が起きやすいのか?
梅雨の時期に頭痛が起こるメカニズムとしては、気圧の変化を内耳で感じることで、脳の視床下部を通して交感神経活動が活発になり、その結果ノルアドレナリンが血液中に放出され、痛みを感じる神経を刺激すると言われているが、実際のところ明確にはわかっていないのが現状だという。
頭痛タイプ別の原因と対処方法としては、緊張型頭痛は主に筋肉のこりや、血行不良が原因であるため、体の患部を温めることが大切であり、お風呂にゆっくりとつかるといったケアを行うのがおすすめだという。また、同じ姿勢でのデスクワークや長時間のスマホ操作を避けるといったことも対処方法になるとする。
もう一方の片頭痛の原因は、血管の拡張による神経刺激であるため、痛い部分を冷やすことが効果的で、逆に長風呂や熱いお湯に浸かるといったことは避ける必要があるという。また、食べ過ぎたり、光・音・匂いなどの刺激や辛い物などの刺激物の摂取を控えたり、カフェインの摂取も推奨されないという。カフェインの摂取を控える理由としては、血管が収縮するため一時的に症状が和らぐことがあるが、カフェインが抜けると悪化してしまうからだという。また、女性の片頭痛については月経に関連する症状の場合もあることに注意が必要だともしている。
なお同社では「緊張型頭痛と片頭痛では温めるか冷やすかといった対処が逆となるほか、緊張型頭痛と片頭痛を併発している人もいることも分かっているため、まずは自分の頭痛症状はなにが起因して起きているのかを知ることが重要となる」と説明しており、個々人に合わせて適切な対処を医療の専門家へ相談してほしいとしている。