セーフィーは6月7日、建設会社に勤める管理職689名を対象に実施した「建設業の24年問題に向けた働き方改革の実態調査」の結果を発表した。
2024年4月までに建設業が是正しなければならない労働環境の課題を指す「建設業の2024年問題」について、2人に1人が「その内容を把握している」と回答した一方、4人に1人は「特に何も対策を行っていない」と回答したという。
「『遠隔臨場(ウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用し、現場に行かなくても離れた場所から「材料確認」「段階確認」「立会」を遠隔で行う)』を知っているか」との質問では、「既に知っており導入している」人が16.4%、「既に知っているが導入はしていない」人が30.9%と、47.3%が内容を把握していることがわかった。そのうち、「『遠隔臨場』は今後の建設業に必要だと感じているか」について、33.4%が「十分」、51.5%が「そこそこ」と回答し、計84.9%の人々が必要性を感じていることが判明した。
遠隔臨場の内容を把握している人に「『遠隔臨場』を取り入れるにあたって、期待していることはなにか」との質問をしたところ、結果は、1位「移動時間や待機時間の削減(74.8%)」、2位「人材不足の解消(52.8%)」、3位「安全性の向上(36.5%)」となった。
遠隔臨場を既に知っているが導入していない人に対し、「『遠隔臨場』を導入しない理由」を質問してみたところ、1位は「費用対効果がわからない(43.2%)」、2位は「通信環境の整備が難しい(28.2%)」、「資金面に余裕がない(28.2%)」という結果になった。
「労働時間の改善に向けて、建築業界の中で期待できそうなことはなにか」の質問に関しては「仕事の効率化進行(リモート現場監督など)」「働く場所の多様化(テレワークなど)」の他、「ベテラン技術者の再雇用」「女性現場監督の増加」「若手技術者の採用の進行」などが挙げられた。同社は、「遠隔臨場」をはじめとする、デジタルの力を活用し現場業務を効率化していく「現場DX」によって、労働時間の改善や生産性の向上が期待できるとの見解を示している。
また、建設現場の管理業務を担う人へ「あなたの職場の若手のスタッフの割合は、以前より増えていると思うか」と質問すると、「変わらないと思う」人が40.1%、「減っていると思う」人が36.2%になり、「増えていると思う」人はわずか17.6%に留まり、若手のスタッフの採用が進んでいないことが分かった。
加えて「若手のスタッフを増やすためには、労働時間の改善の他に、何が必要だと思うか」と質問したところ、「平均賃金の向上(76.2%)」や「週休2日制の徹底(62.0%)」のほか、「スキルアップ・資格取得などの支援制度(35.4%)」「ベテラン社員のノウハウを知れる環境構築(27.3%)」などが挙がっている。同社は、就業者の高齢化が進む中、若手スタッフがスキルやノウハウを身に着けられる、働きやすい組織の構築により、将来的な人材不足にも備えることができるのではないかとの見方を示している。