ライフサイエンスからリーガルテック、ビジネス関連まで様々なAIソリューションを展開するFRONTEOは6月6日、米国民事訴訟の電子証拠開示(eディスカバリ)において大量のデータレビューをAIでサポートする「KIBIT Automator」に視覚が必要なものを直感的に判断するプロセスから着想を得た新アルゴリズムを実装したことを発表した。
実装された新アルゴリズムは、人間が文書のレビューを行う時、無意識に行っている選別作業が視覚において必要なものを高速・高効率で認識する「カラーバス効果」と類似している点に着目し開発された技術(特許申請中)が活用されている。認知モデルには文書中の単語を色彩、文書全体のニュアンスを色合いのように捉えるモデルを作成し、人間の直観的判断に近い判定が可能なように調整された。
ワードの重みの評価を従来の「正」に加えて「負」の評価も判定、文書全体のスコアも文書内のスコア分布の算出と高スコア領域の同定及びハイライト表示することもでき、同社によれば、自社検証で監査対象データの抽出割合(発見精度)が閲覧率20%時で比較した場合、従来82.5%の発見精度が99.5%と大幅に向上したことを確認したという。
「KIBIT Automator」は、米国民事訴訟の公判手続きで必要となる証拠開示における電子証拠開示(eディスカバリ)で提出する膨大な量の電子メールや文書などを審査・分析するレビュー作業をサポートするAIツール。「読まなくてよい文書」を判断するカットオフ支援機能や確認が必要な箇所をハイライト表示する機能や、レビュアーのレビュー品質をヒートマップで表示する機能などを提供、人間がレビューすべき文書を大幅にカットできる。