オムロンとユビ電は6月1日、両社の共創により開発を進める個別設置向けEV充電課金サービスの実証実験を、同日よりオムロン岡山事業所にて開始したことを発表した。
近年、カーボンニュートラルの実現に向けたEVの利用拡大に伴って、住宅や会社、商業施設に適したEV充電サービスや充電インフラの普及拡充が求められている。
こうしたニーズに対し、ユビ電は、場所にも地球にも気兼ねなく、いつでもどこでも“自分の電気”を自由に使える電力環境を目指して、電気自動車(BEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)に対応した充電サービス「WeCharge」を2021年より提供している。
そして同社は、集合住宅などの大規模施設向けで導入実績を持つWeChargeを個人住宅などの小規模向けに適用するため、EV充電コンセントごとに導入できる新たな給電サービスを開発しているとのこと。そこでオムロンは、個々の充電器に後付けで設置することが可能で、電気使用量の測定やデータの通信を行うEV充電スマートプラグモジュールを開発することで、実現に向けた共創を進めているとする。
今回両社は、オムロンが開発したモジュールをEV充電コンセント内に設置しWechargeと連携することで、利用ユーザーごとの充電料金を算出するサービスを構築。オムロン岡山事業所内の屋外駐車場に試験機を設置し、通信や充電の能力といった基本性能評価、屋外環境試験、基幹システムとの接続や動作の確認といった実証実験を行うとしている。
実験中の新サービスでは、駐車スペースに設置されたコンセントとEVを、一般的な200VのEV充電ケーブルを用いて接続する形での利用が想定されている。ケーブルでの接続後、コンセントに記載されたQRコードを専用のスマホアプリで読み取ることで、充電の開始や設定が可能となる。これにより、充電中にケーブルを差し替えるといった不正利用を防ぎ、より利用しやすい充電サービスになるという。
新サービスのメリットとしては、導入コストの低さが挙げられた。大規模施設とは異なり、小規模住宅や個別店舗といった施設では、コスト面での障壁からEV充電設備の導入が進んでいない。新サービスではモジュールの小型化などにより1機あたりのコストを低減することで、より利用のすそ野を広げることが期待されるとのことだ。また、集合住宅の駐車場内の一部分のみに導入するといった、柔軟な導入プランの構築が可能な点も強みだとしている。
オムロンとユビ電は今後、2社の共創による個別設置向けEV充電サービスの確立により、EVの普及を加速させ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。