大日本印刷(以下、DNP)は6月2日、工場など製造のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する「DNP飲料工場支援サービス」を開発したことを発表した。第一弾として、工場の生産ラインのデータをクラウドで管理し解析できる「情報収計・分析ツール」を、飲料メーカー2社の国内工場にサブスクリプション型で提供し運用を開始する。

  • 「DNP飲料工場支援サービス」の概要図

    「DNP飲料工場支援サービス」の概要図

同サービスは、工場の製造設備に関するデータをクラウド環境で取得し、生産状況や課題の可視化を支援する。製造設備の制御装置であるPLC(Programmable Logic Controller)や製造ラインに取り付けたセンサーからのデータ取得が可能であり、同社が提供する設備以外でも利用可能。工場全体や工程ごとのデータ把握など、製造現場の課題に合わせて利用できるという。

同サービスで取得したデータは、正確性を高めるための独自のクレンジング処理を行った上で集計し、解析してレポートとして提供する。利用者は作業の進捗状況やラインで発生したトラブルなどについて、約40種類のレポート画面を確認できる。

  • 分析レポートの例

    分析レポートの例

同社は今後について、センシングモジュールやオペレーションサポートツール、自動化装置、メンテナンスサポートツール、教育・技術伝承ツール、コンサルサービスなど、機能とメニューの拡大を進めるとしている。

また、ペットボトルに限らずさまざまな飲料工場にサービスの導入を進め、将来的には食品や医薬品または非食品分野などにも展開するという。工場の一貫した情報管理を安定的かつ容易に行える環境の構築を支援して、属人的な業務体制を解消し品質と生産性の向上に貢献するとのことだ。