サイバーエージェントの連結子会社で医療AI(Artificial Intelligence:人工知能)を手掛けるMG-DXは5月26日、薬剤師の対人業務をサポートする薬局ソリューション「AI薬師」において、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)の活用を開始したことを発表した。

その第一弾として、同社はChatGPT1のAPI(Application Programming Interface)を活用した服薬フォローアップ実施支援サービスのベータ版をAI薬師に実装し、6月1日から提供を開始する。

  • MG-DXはLLMの活用を開始する

    MG-DXはLLMの活用を開始する

AI薬師とは、服薬指導や服薬期間中の患者フォローアップ、患者からの薬に関する問い合わせ対応など薬剤師の対人業務を支援し円滑に進めて、患者満足度を高めるためのコミュニケーションを目指す薬局ソリューション。

厚生労働省が公表した「患者のための薬局ビジョン」において、薬局ならびに薬剤師は処方せん受付以外の対人業務の充実が求められており、さらに、医療従事者間のタスクシフトが推進される中で、薬剤師の対人業務のデジタル化が急務となっている。

そこで同社は、薬剤師の対人業務をサポートするべく、AI薬師の機能拡充に向けて、調剤および製薬領域に特化したAIサービスの開発を目指し、ChatGPTやサイバーエージェントが開発した日本語LLMなどの活用を進める方針だ。

取り組みの第一弾として展開する、服薬フォローアップ実施支援サービスのベータ版では、AIチャットボット「ChatGPT」のAPIを活用しており、服薬フォローアップ時に薬剤師が患者に送るメッセージ文を自動的に生成できる機能を持つ。

年齢区分、来店頻度、症状、調剤内容などの項目をフォーマットに沿って選択するだけで、患者ごとに寄り添ったメッセージ文を生成できるようになる。また、この機能はオンライン調剤サービス「薬急便」のデータベースと連携しているため、ChatGPTの自動生成には個人情報を一切使用しておらず、患者名や薬局名や薬剤師名などはテンプレートとなるメッセージ文を自動生成後に自動で挿入される。

  • 服薬フォローアップ実施支援サービスの概要

    服薬フォローアップ実施支援サービスの概要