NVIDIAが2024会計年度第1四半期(2023年2~4月)の決算概要を5月24日(米国時間)に発表した。
それによると同四半期における売上高は前四半期比19%増、前年同四半期比13%減の71億9200万ドル、純利益は前四半期比44%増、前年同期比26%増の20億4300万ドルとなり、市場予測を上回る結果となった。
主力のゲーム用GPUの売り上げが減少したものの、AI(人工知能)向けGPUの新製品「H100」シリーズの売り上げが生成AIへの注目が増したことを背景に需要が増加したことが背景にあるという。
AI需要の増加でデータセンター
事業部門別に見ると、データセンター部門の売上高は、生成AI分野の需要増を背景に、前四半期比18%増、前年同期比14%増の42億8400万ドルとなり過去最高を更新したとする。これまで主力とされてきたゲーム部門の売上高は、前四半期比22%増、前年同期比38%減の22億4000万ドルとなり、データセンター部門の売り上げがゲーム部門を大きく上回る結果となった。
このほか、プロフェッショナル・ビジュアライゼーション部門の売り上げは前四半期比31%増、前年同期比53%減の2億9500万ドル、自動車部門は前四半期比1%増、前年同期比114%増の2億9600万ドルとなっている。
NVIDIAの創業者 兼 CEOのJensen Huang氏は、「AIは転換点を迎えており、あらゆる産業において幅広く採用されようとしている。スタートアップ企業から大企業まで、生成AIの多様性と可能性に対する関心が高まっており、需要が急増している。NVIDIAは、そうした顧客ニーズに対応できる体制を整えている。H100とTransformer Engineを搭載し、Quantum-2ネットワーキングファブリックを備えたの新た AIスーパーコンピューターはフル稼働している」と生成AIへの注目の高まりが後押しとなっていることを説明。ゲーム部門についても、新型コロナのパンデミック以降の低迷から回復しつつあるとしており、こうした背景から2024会計年度第2四半期(5~7月期)の売上高見通しを市場の予測を大幅に上回る110億ドル±2%としたことで、同社の株価は時間外取引で24日の終値から一気に3割近く上昇している。