Googleの日本法人は5月24日、ブログでAI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を活用したGoogle広告の方針について明らかにした。ジェネレーティブAI(生成AI)を活用して、マーケティングをAIを中心に据えた方法へと変化させる機能を追加するという。
同社は、新たな広告キャンペーンの立ち上げや運用に伴う負担の軽減を目的として、Google広告管理画面内で自然言語によるチャット型の設定サポートを開始する。Google AIとユーザーの知識を組み合わせて、キャンペーンの作成を効率化し検索広告の運用を簡略化できるよう設計しているようだ。
この機能を使うことで、広告の該当のランディングページを入力するだけで、Google AIがページを要約し、キャンペーンと関連性が高く効果的なキーワードや広告見出し、説明文、画像などのアセットを生成できる。キャンペーンに適用する前にこれらの提案内容を確認し、編集も可能とのことだ。キャンペーン効果を向上させる方法についてチャットでの相談も可能だ。
また、昨年検索広告向けに公開した、ランディングページや既存の広告のコンテンツを使用して広告見出しや説明文を生成する自動作成アセットを近日中に生成AIで強化し、クエリのコンテキストに基づいた効果的な広告作成を支援する。
例えば、「乾燥敏感肌用スキンケア」と検索する場合、AIはランディングページや既存の広告コンテンツを利用して、「乾燥した敏感肌をいたわる」といったような広告見出しを生成するとのことだ。これにより、ブランドイメージを守りながら広告の関連性を高められるという。
同社はパフォーマンス最大化を目的とするキャンペーン「P-MAX」にも生成AIを導入する方針だ。同社の調査によると、P-MAXを利用している広告主は同程度のコンバージョン単価でコンバージョン数が平均18%増加しているという。
P-MAXに生成AIを利用することで、数クリックでカスタムアセットを作成し、より簡単に規模の拡大が見込めるようになる。Webサイトの情報を提供するだけでGoogle AIがブランドについての学習を開始し、キャンペーンにテキストや関連アセットを追加する。
さらに、専用の画像を新たに生成して提案し、より幅広い広告枠とフォーマットで顧客に情報を届けられるようになるとのことだ。また、同機能はGoogle広告に追加されるチャット型の設定サポートからも利用を開始できる。
GoogleはAIを活用した広告製品とユーザーのプライバシー重視の両立を重視している。来年、Google ChromeでサードパーティCookieを段階的に廃止するのに伴い、広告チームは広告主が今後も関連性の高い顧客に広告を届け、その効果を測定できるようなプライバシーサンドボックスの新しいプライバシー保護シグナルを積極的にテストしているという。