セーフィーは5月17日、新製品発表会を開催し、クラウドカメラシリーズ「Safie Pocket」の最新モデル「Safie Pocket2 Plus」を発表した。発表会では製品のデモンストレーションのほか、同社が実施した建設業の24年問題に関する調査レポートを公表。後半では「大林組・鹿島建設と語る建設業の24年問題と建設現場における働く未来」と題し、パネルディスカッションが行われた。
“待ったなし”の建設業の24年問題
登壇したセーフィー 営業本部 第2ビジネスユニット部長の桜田忠弥氏は、同社が建設業の管理職層に対して実施した建設業の24年問題に関する調査結果を紹介した。
建設業の24年問題とは、2024年から建設業にも働き方改革関連法が適用されることにより、時間外労働の上限規制などの対象となることを指す。調査によると、建設業の管理職層の2人に1人は24年問題の内容を把握しているものの、4人に1人は「何も対策を行っていない」と回答。また、労働時間削減の1つの方策である遠隔臨場(「材料確認」「段階確認」「立会」をウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用し、遠隔で行うこと)については、2人に1人が「知っている」と回答しており、そのうち85%が「必要性を感じている」と回答した。遠隔臨場により、移動・待機時間の削減や人材不足の解消を期待する声が多いという。
セーフィーのSafie Pocketシリーズは遠隔臨場をスムーズに行うことができるウェアラブルクラウドカメラを展開するもので、桜田氏によれば「労働時間の削減、育成環境の整備、安全・衛生管理の整備にメリットを感じていただいている」という。
今回発表されたSafie Pocket2 Plusには、モバイル給電機能やスピーカー通話機能、手振れ補正、デジタルズームといった機能が追加された。発表会では実際、会場とセーフィー本社をつなぎ、Safie Pocket2 Plusによる遠隔臨場を再現するデモンストレーションも行われた。
建設業の24年問題に向けた大手企業の対応は?
後半のパネルディスカッションには、大林組 土木本部 本部長室 i-Conセンター 現場支援第一課 課長でDX本部 生産デジタル部の高橋寛氏と、鹿島建設 鹿島技術研究所 AI×ICTラボ 副主任研究員の西澤勇祐氏が登壇。桜田氏がモデレーターを務め、建設業の24年問題をテーマに議論が繰り広げられた。
桜田氏はまず、「建設業の24年問題に対してどんな取り組みをされていますか」と問いかけた。