凸版印刷とエイスリーは5月18日、実在する人物を元にした高解像度のバーチャル・ヒューマン(仮想の人間)を使用するキャスティング事業での協業を、2023年5月に開始したと発表した。2023年度中にキャスティング分野における事業創出を目指し、新たなモデル・エージェンシー・ビジネスを推進していくとのこと。

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3D CGやAI(人工知能)技術の発展により、写実的なバーチャル・ヒューマンを使用した企業広告や各種動画コンテンツへの注目度が高まり、受付や施設案内などの実業務でも使用されるなど、バーチャル・ヒューマンやその関連技術は、新たなコミュニケーションを表現する技術として期待されているという。

また、バーチャル・インフルエンサーや著名人のバーチャル・ヒューマンなど、バーチャル・ヒューマンのアイデンティティも1つの提供価値として認識されるようになってきたとのこと。

今回の協業では、凸版印刷の「トッパンバーチャルヒューマンラボ」内の「ライトステージ」を用いて計測した人体の高精度な実測データを元に制作した写実的なバーチャル・ヒューマンと、エイスリーのキャスティングに関するコネクションおよび知見により、バーチャル・ヒューマンの著作権・パブリシティ権などのマネジメントを始め、新たなキャスティング事業を行う。

これによって、より多くの人物のフォトリアルなバーチャル・ヒューマン化を進めると共に、多様なシーンで幅広く使用することで、仮想から現実までの多様なコミュニケーションの実現を目指す。

協業の内容は、バーチャル・ヒューマンによるビジネス・スキームの確立および、バーチャル・ヒューマンを使用する新たなモデル・エージェンシー・ビジネスの創出の2点。

ビジネス・スキームについては、エイスリーが保有する、タレントやインフルエンサーなどのコネクションと知見を活用することで、実在の人物を凸版印刷のライトステージで計測し、効率的にバーチャル・ヒューマン化し、広告やTVCMなどでの利用を始め、バーチャル・ヒューマンによるビジネス・スキームを確立する。

モデル・エージェンシー・ビジネスの創出に関しては、凸版印刷が進めてきたバーチャル・ヒューマンのビジネス利用の知見とエイスリーのキャスティング・ノウハウにより、バーチャル・ヒューマンの著作権やパブリシティ権などのマネジメント手法を確立し、バーチャル・ヒューマンならではのモデル・エージェンシー・ビジネスを創出し、バーチャル・ヒューマンの市場価値を高めていくとしている。

今後両社は、双方のビジネス領域を掛け合わせた検証およびビジネス開発を推進し、2023年度中にキャスティング分野における事業創出を目指し、新たなモデル・エージェンシー・ビジネスを推進していく。

また、バーチャル・ヒューマンのなりすましや不正利用に対する取り組みとして、アバター管理基盤であるAVATECTによる本人認証・セキュリティ機能との連携も視野に入れ、提供機能の拡充を進めていくとのことだ。