NXPは5月16日、TSMCと協力して16nm FinFETプロセスを用いた車載向け組み込みMRAM IPを開発したことを発表した。
今回の取り組みは、同社のS32車載プロセッサのさらなる進化に向けたもので、16nm FinFETプロセスを採用した次世代不揮発メモリをS32と統合することで、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)時代に求められるハードウェアプラットフォームを実現するとしている。
MRAMを組み込むことで、従来のフラッシュメモリでは約1分かかっていた20MBのコードのアップデートが約3秒で終えることができるようになるため、ソフトウェアの更新に伴うダウンタイムの最小化が図れるようになるとNXPでは説明しているほか、従来型フラッシュメモリやその他の次世代メモリと比べて10倍以上の耐久性となる最大100万回のアップデートサイクルを実現可能であり、自動車で求められる高い信頼性も提供できるようになるともしている。
TSMCとの協業により、こうした100万サイクルの耐久性に加え、はんだリフローのサポート、150℃の環境下で20年におよぶデータ保持などが可能となり、厳しい車載アプリケーションで求められる性能を提供できるようになるという。
なお、NXPでは同プロセスを採用したS32ゾーンプロセッサ汎用車載マイコンの試験用サンプルをすでに完成させており、現在評価を進めている段階にあるとしており、初期製品サンプルを2025年初頭に主要顧客に提供開始する予定としている。