ベルギーimecは5月16日、調査・コンサルティング会社であるスウェーデンUBI Globalが2年ごとに実施しているスタートアップ育成団体ランキング「World Top Business Accelerator - Linked to University」で1位に選ばれたと発表した。
同ランキングは、大学関連のインキュベータ/アクセラレータ調査「UBI Global World Benchmark Study」に基づくもので、2015年、2017年、2019年に実施された過去3回のランキングでも、imecはトップ5位内にランクインしていたものの、1位を獲得したのは今回が初めてだという。
2023年版の調査対象は1895のプログラムで、最終的なランキング候補として56か国から109のプログラムが、主にエコシステムへの影響、プログラムのパフォーマンス、取り組みによって誕生したスタートアップのパフォーマンスの3つのカテゴリで採点され、ランキング付けがなされたという。
imecは、もともとベルギー・フランダース地方の6つ大学が半導体関連の研究を行うための共同利用クリーンルームを起点としており、imecという名称もInteruniversity Microelectronics Centerの略称でもある。フランダース地方政府の支援により、現在もその役割を担っているほか、imecと2016年に合併したiMindsが同地方の非営利デジタル技術研究機関でありインキュベーションセンターでもあったことから、imecもこのランキングの対象となっている。
imecの支援で2800人のフルタイム雇用が創出
2011年に設立されたimecの起業支援プログラムであるimec.istartは、スタートアップの初期段階で少なくとも5万ユーロの資金を提供してきたほか、その後の12~18か月間にわたっても広範なパートナーエコシステムを通じた成長、顧客、従業員の誘致、フォローアップ資金のサポートを行うなど、これまでに290以上のテクノロジー系スタートアップを支援してきたという。その結果、それらスタートアップに対する2800人以上のフルタイム雇用の創出や約7億ユーロのフォローアップ資金調達につながっているという。
また、2021年よりimec.istartはオランダでもTechnical University Twenteの推進プログラム「Novel-T」と協力する形で、オランダのスタートアップにもサービスの提供を開始したという。
imecの社長兼CEOのLuc Van den hove氏は今回の結果を受けて、「imecは世界トップクラスである研究開発能力に加えて、スタートアップやスピンオフの支援でもリーダーシップを示したことを誇りに思っている。過去数年にわたり、imecは独自テクノロジーの商用化に向けたスピンオフ制度の創設やスタートアップ支援への投資などを行ってきた。今回の結果は、そうしたアプローチが評価された結果だと思われる」と述べている。また、「imecにはスタートアップを立ち上げ、革新的なアイデアをサポートしてきた長い歴史がある。スピンオフを奨励するための多額な投資も行っており、その結果、5年間でimecの成果を基にした27件の新たなディープテックベンチャーが誕生し、その価値は3億5000万ユーロを超えた。今後はそうした独自のスピンオフの設立に加えて、外部のディープテックスタートアップのサポートにも注力していくほか、こうした支援制度の世界的な展開も進めていく」ともしている。