京セラは、同社初となる中期経営計画を5月16日に発表。高成長が見込まれる市場や製品に集中投資投資を行う方針を明らかにした。

京セラの谷本秀夫 代表取締役社長は、中期経営計画を通して成長軌道への回帰を目指すとし、売上高が2022年度(2023年3月期)で初めて2兆円を突破したことを踏まえ、2024年度~2026年度の3年間を経て、2026年3月時点で売上高2.5兆円を目指すとしたほか、2028年度には売上高3兆円を目指すことも示し、過去22年間で伸ばした売上高を、この度6年間という短いスパンで達成する目標を設定したという。

  • 成長ステージの概要

    成長ステージの概要 (資料提供:京セラ)

この計画に向けて同社では高成長が期待される半導体市場に注目。主に半導関連部品などのコアコンポーネント分野に最も集中して投資を行い、スピード感を持って成長すると意気込みをみせた。

  • 分野別投資割合

    分野別投資割合。2024年3月期~2026年3月期の3か年で設備投資額8500億円を予定。そのうち半数近くの47%を半導体関連部品に投じる計画だという (資料提供:京セラ)

また、コンデンサやタイミングデバイスなどを含む電子部品分野においても、エレクトロニクス産業の進展に伴い電子部品市場が拡大する見込みであるとし、同社の強みを活かした競争優位分野への注力で市場シェア拡大を図るとした。

一方、携帯電話端末事業を含むソリューション分野については、各事業を見極めたうえで、将来の成長分野へリソースを集中・統合する意向を示した。実際に、コンシューマー向けスマートフォン事業を終息させ、ミリ波5G通信のさらなる普及に向けたインフラ関連事業へ開発リソースを集中させるほか、法人向けの端末・通信サービス事業に注力していくという。

質疑応答においても、谷本社長は過去最大の売上高3兆円の達成に向けて、自社のもつチャレンジ精神をフル活用し挑戦していきたいと語っていたほか、成長が期待される半導体事業においては、有機パッケージ、セラミックパッケージ、半導体製造装置の3つに注力し、いずれの分野でも高い市場シェアを獲得していくことを強調していた。