leadNTTと三菱電機は5月16日、NTTのネットワークおよびコンピュート基盤の連携制御技術と三菱電機の遠隔操作技術を組み合わせた実証実験を通じ、これまで操作が困難であったロボットアームを用いた作業を遠隔地から違和感なく持続的に操作可能であることを確認したと発表した。

NTTと三菱電機は5月16日、NTTのネットワークおよびコンピュート基盤の連携制御技術と三菱電機の遠隔操作技術を組み合わせた実証実験を通じ、これまで操作が困難であったロボットアームを用いた作業を遠隔地から違和感なく持続的に操作可能であることを確認したことを発表した。

  • 技術概要

    技術概要

実証実験では、遠隔操作における効果を確認するために、NTT武蔵野研究開発センタにディスプレイとロボット操作用デバイス、NTT横須賀研究開発センタにロボットを配置し、直線距離50km強の2拠点間をAPN を模擬したネットワークで接続して遠隔操作を行う実験用ネットワークを構築した。

ロボット側で撮影したカメラ映像には、三菱電機が開発した人とロボットの遠隔融合システムVisual Hapticsにより力触覚情報を付加し、操作者は力触覚情報を視覚的に確認しながら操作を行った。また、Visual Haptics処理に要する時間とネットワークの遅延時間をリアルタイムに測定し、End-to-End での遅延時間が性能要件を満たさなくなる場合に別のネットワークおよび別のサーバ処理へと切り替える機能を備えた。

  • 実証実験構成

    実証実験構成

この実験構成において、エッジサーバを過負荷状態にして遠隔操作環境を悪化させた場合、従来構成では遠隔操作が困難であったが、提案構成では品質が悪化してから約100ms 後には切り替え制御が完了したことに加え、力触覚情報等の感覚情報を遠隔に伝達することで違和感なく操作を出来ることを確認し、提案技術の有効性を確認したという。

  • 実証実験の模様

    実証実験の模様

これにより、力触覚情報を用いたロボットによる高度な遠隔操作を簡易なデバイスで実現できることに加え、遠隔操作を安全に実施可能であることが判明し、End-to-Endで遅延品質を管理し、制御する技術を用いて低遅延品質保証が可能となり、また力触覚情報を色情報に変換する技術を用いて機器数が少ないシンプルなデバイス構成で力触覚情報の伝達が可能となる。

これにより、ロボットなどによる高度な遠隔操作の適用領域の拡大が期待できるほか、操作者の拠点集約による効率化、労働人口減少等の社会課題の解決も期待できるとしている。

なお、この実証実験で実施した技術については、5月17日~18日に開催予定の「つくばフォーラム2023」にて紹介される。