半導体市場調査会社である仏Yole GroupのYole Intelligenceが2022年の半導体製造装置市場調査結果を発表した。
それによると、2022年の半導体前工程製造装置(Wafer Fab Equipment:WFE)市場は、前年比7%増の997億ドルで史上最高額を記録したという。
大手5社の市場シェアは、Applied Materials(AMAT)が20%、Lam ResearchとASMLが16%、東京エレクトロン(TEL)が12%、KLAが8%となっており、大手5社を除く残りが28%となっている。
また、2023年のWFE市場は、2022年第4四半期からの半導体市場の減速の影響を受け、DRAMやNANDを中心に設備投資を抑制し、装置の注文も延期もしくはキャンセルをしており、結果として同13%減の870億ドルに留まる見込みであるともしているほか、AMATやLamのような大手企業の売上高はマイナス成長となると見られるが、小規模ベンダの中には逆に売り上げが伸びるところもありそうだともしている。
Yole Intelligenceの半導体機器、サブシステムおよびテスト部門の技術および市場担当シニアアナリストであるTaguhi Yeghoyan氏は、「2023年第1四半期の同市場規模は200億ドルの予想で、これは2020年第4四半期とほぼ同様の値である。装置のリードタイムが長く、ファブの稼働率が高いにもかかわらず、メモリチップメーカーが注文を延期したりキャンセルしたりしたことが主な原因である」と述べているほか、「製造装置ベンダは、メモリ分野で失った注文をロジックまたは特殊デバイスおよび高度パッケージング分野で賄おうとしているが、そうした努力をしても2023年のWFE市場はマイナス成長となる可能性が高い。加えて、地政学的なリスクの高まりが日米欧の装置ベンダに対する逆風となり、最大市場である中国への出荷を抑制させる結果となっている。結果として半導体製造装置市場において、エッチングおよび洗浄、成膜、イオン注入、計測および検査などのプロセス技術はマイナス成長となる。例外は、パターニングとウェハボンディングセグメントである。また、サービスとサポート分野は毎年着実に成長している」と市場動向を分析している。
なお、WFE市場は2023年から2028年まで年平均成長率4.3%で成長し、2028年には1070億ドルに達するともYoleでは予測しているほか、2023年時点でのWFE3大カテゴリは、パターニング、エッチおよびクリーン、成膜だが、2028年には順位が成膜、パターニング、エッチおよびクリーンと変化することが予想されるという。