デル・テクノロジーズは5月15日、「Innovation Index(イノベーション インデックス)」の結果を発表した。同調査は、世界45カ国以上6,600人の従業員を対象に実施されたもの。イノベーションがビジネスに不可欠な理由、また企業/組織が効果的なイノベーションを実現するために「人材」、「プロセス」、「テクノロジー」をどのように活用すべきかにフォーカスしている。

大部分の企業/組織は、下図のイノベーション成熟度曲線が示しているように、規定されたイノベーション戦略がないか、利益を上げるのに苦労していることが分かっている。

  • グローバル(45カ国)と日本の結果 引用:デル・テクノロジーズ

人材に基点を置いたイノベーションについては、59%(日本:49%)が、「人材が辞めていくのは期待したほどのイノベーションを起こせなかったためである」と考えていることがわかった。、あた、64%(日本:54%)が、「自社/自組織の企業文化のさまざまな側面が、自分たちの求める(できるはずの)革新性の実現を妨げている」とも回答している。これらの結果から、企業/組織には、すべてのアイデアが違いを生み出し、失敗から学ぶことを奨励するイノベーションの文化を発展させるための支援が必要だということが明らかになった。

企業/組織文化は、リーダー層が設定およびモデル化するものの、71%(日本:65%)が、「自分のリーダーは自らのアイデアを優先する傾向がある」と回答しており、イノベーションを妨げる個人的な障壁の上位には、「失敗を恐れること、リーダーとアイデアを共有する自信のなさ」などが挙げられている。

また、プロセスに基点を置いたイノベーションについては、「すべてのイノベーションの取り組みをデータに基づいて行っている」と回答しているIT意思決定者は26%(日本:17%)にとどまっているほか、「イノベーション プロジェクトを自社の目標と一致させている企業/組織」は、2社中1社のみ(52%)(日本:42%)となっている。これらの回答から、企業/組織全体を通じてイノベーションを実現する上で、構造化したデータドリブンなイノベーション プロセスを組み込むことに苦労していることが明らかになった。

チームにインパクトを与えるイノベーションへの最大の障壁として挙げられたのは、圧倒的なワークロードによるイノベーションのための時間不足だった。しかし日本の回答者はこの点を最大の障壁とは捉えておらず(45カ国中27位)、最大の障壁として挙げられたのは「失敗を恐れる/アイデアが失敗したときの反響を恐れる」(45カ国中7位)だった。

テクノロジーに基点を置いたイノベーションについては、イノベーションを促進する「マルチクラウド」、「エッジ」、「モダン データ インフラストラクチャー」、「Anywhere-Work(場所を問わない働き方)」、「サイバーセキュリティー」の5つのテクノロジーについて、企業/組織がどのようなメリットを得ているのか、またどのような障壁に直面しているのかということを明らかにしている。

ほぼすべての領域において、可能性を最大限に引き出す上で最大の障壁となっているのが「複雑さ」だった。例えば、クラウド プラットフォームやアプリケーション、ツールなどを組み合わせた結果として、偶然マルチクラウド環境に到達したという企業/組織の数が非常に多く、その複雑さが時間とコスト、またイノベーションの貴重な機会を失うことにつながっている。