Qualcommは、子会社のQualcomm Technologiesがイスラエルの車載半導体ファブレスAutotalksと買収に関する正式契約を締結したことを発表した。

自動車業界は、電動化を中心としたエレクトロニクス化が進んでおり、V2Xの要となる通信技術の重要性も増している。

Autotalksは、2009年よりV2Xの通信技術に注力してきたファブレス半導体企業で、複数のV2X規格と互換性のある専用デュアルモードグローバルV2Xソリューションを提供してきており、それらの製品をQualcommは自社の経験と組み合わせることで、V2Xソリューションの開発と採用を加速させ、ドライバーと道路利用者の安全性向上を目指すとしている。

具体的には、AutotalksのソリューションをQualcomm TechnologiesのSnapdragonデジタルシャーシ製品ポートフォリオに組み込むとする。

Qualcomm Technologiesの自動車担当バイスプレジデント兼ゼネラル マネージャーであるNakul Duggal氏は、「Qualcommは2017年以降、V2Xの研究、開発、展開に投資してきた。自動車市場が成熟するにつれて、道路利用者の安全性とスマートな輸送システムを強化するために、スタンドアロンのV2X安全アーキテクチャが必要になると考えている。今回の買収により、そうした技術の市場投入までの時間を短縮することが可能になる」と述べている。

また、AutotalksのCEOであるHagai Zyss氏は「私たちの知識と専門知識をQualcommの経験と組み合わせることで、道路利用者の輸送効率と安全性を向上させる強力なV2X製品を提供できるようになるだけでなく、V2Xの広範な採用を加速できると確信している」と述べている。

なお、Volks WagenやRenault、General Motors、Continental、Samsung Electronics傘下のHarman International、ルクセンブルグRolling Wirelessなどといった自動車メーカーや車載機器・部品メーカーも相次いでこの買収に対する前向きな支持を表明している。