DAIZは、モスバーガーが台湾国内で運営する店舗にて2023年5月15日より販売するプラントベースバーガー「モー・リー・バオ」に、同社で開発・製造する発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」が採用されたことを発表した。
DAIZが長年研究してきたミラクルミートは、従来の植物肉で課題とされていた味と食感に残る違和感や、大豆特有の青臭さや油臭さ、肉に見劣りする機能性(栄養価)を解決した植物肉。従来の大豆ベースの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていたが、ミラクルミートは原料に丸大豆まるごとを使用することに加え、オレイン酸リッチ大豆を使用することで大豆特有の臭みを無くすことに成功したとする。また、味や機能性を自在にコントロールすることが可能な「落合式ハイプレッシャー法」を用いて大豆を発芽させることで、旨味や栄養価を増大させているほか、発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)により膨化成形することで、生物由来の食肉のような弾力と食感を再現したとする。加えて、旨味や栄養価が増大している発芽大豆を使用することで他の原料や添加物を不要とし、シンプルな製造プロセスを実現したという。
現在、台湾モスバーガーは台湾内に304店舗(2023年4月末時点)を展開しており、近年のプラントベースフードへの需要の高まりを受ける形で、代替肉を使用したメニューの開発・販売を行っていた。そうした中、DAIZのミラクルミートが評価され、モー・リー・バオへの採用に至ったという(304店舗のうち、数店舗を除く約300店舗で5月15日から7月中旬まで提供される予定)。今回の台湾へのミラクルミートの提供は、2022年4月より提供を開始したタイに続くもので、同社は今後のさらなる海外供給に向け、2025年には熊本県上益城郡益城町に新工場の建設を予定しているとした。
植物肉(プラントベースミート)は、地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出を抑える効果が高く、同時に2030年に予想されているタンパク質危機の解決の一助となる代替タンパクとなるとして注目が高まっている。また、欧米やアジアでの市場成長も著しく、日本でも徐々に認知が広がっており、世界で9兆円を超える市場と見込まれているという。DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成とサステナブルな社会の実現に貢献していきたいとしている。