三菱ガス化学(MGC)は5月8日、半導体パッケージのサブストレートに使用されるBTレジンをベースにした高耐熱・高信頼性のプリント基板材料である「BT積層材料」の生産子会社であるMGCエレクトロテクノの子会社であるタイのMGC ELECTROTECHNO(THAILAND)(略称:ETT)のBT積層材料の生産能力を増強することを決定したと発表した。

  • MGC ELECTROTECHNO(THAILAND)

    MGC ELECTROTECHNO(THAILAND)の外観 (出所:三菱ガス化学)

これまで、MGCエレクトロテクノの福島工場がマザー工場として新製品の量産化、先端・高性能・少量多品種の生産を担当し、タイのETTが主に大量少品種の生産を担当する形でBT積層材料のグローバルな供給体制を構築してきたという。

同社では今後、IoTの普及に伴う電子機器の増加ならびに5G、Beyond 5G、そして6Gといった通信技術の進化が進展していくことなどを背景に、中長期における電子業界、半導体市場、そして半導体パッケージ市場の成長は期待できるとの判断から、BT積層材のタイでの増産を決めたと説明している。

今回の生産能力増強は、ETTに建屋を新設。第1期工事と同水準の設備を導入することで、生産能力を現在の2倍に引き上げる予定としている。第2期工事として、2024年4月に着工し、2025年10月からの営業運転を始める予定としている。

なお、三菱ガス化学では今回の生産能力増強により、福島の製造施設はマザー工場としての機能強化を図り、タイ工場は量産品の効率性の高い生産体制を増強していくことを基本方針に、グローバルに拡大を続ける半導体市場からの多様化する要求に迅速に対応して高機能な製品を安定的に供給していくとしている。