東芝デジタルソリューションズは5月9日、プライベートブロックチェーン「DNCWARE Blockchain+」を活用した電子契約システムの提供を、同日より開始したことを発表した。同システムは長崎市に導入され、6月から本格運用を開始する。

  • 東芝、ブロックチェーンを活用した電子契約システムの提供- 長崎市で6月から運用

    電子契約システムの4つのメリット

この電子契約システムは、国や地方公共団体で電子化が進む発注者・受注者間の契約手続きを対象に、同社のブロックチェーンの暗号化技術により、電子入札で利用している電子証明を内蔵したICカードや、ID・パスワードと紐づけられた秘密鍵を用いて、手間や新たなコスト負担なく利用できる電子契約システムを実現した。

PDFやOfficeファイルのほか、さまざまなファイル形式に対応。契約に必要なさまざまな添付書類、契約後の各種文書(書類や図面、写真など)の提出においても、簡便に電子署名して、ブロックチェーンに記録を残すことが可能となっている。

  • 電子調達システムにおける本電子契約システムの位置づけ

    電子調達システムにおける本電子契約システムの位置づけ

また、産業競争力強化法に基づくグレーゾーン解消制度において、建設業法および電子署名法についての適法性を日本で初めて確認されたという。契約事務で必要とされる差戻、契約辞退・解除などの機能実装や、三者間契約や共同企業体(JV)などの契約にも対応する。

長崎市とは2021年9月から1年間、この電子契約システムによる契約事務手続きの改善と実用性について連携して検証した結果、事務処理時間の削減、収入印紙額の削減、テレワーク実施体制の環境整備などの導入効果が認められ、今回のシステム導入に至ったということだ。