リンクアンドモチベーションのグループ会社で、キャリアスクールを運営するリンクアカデミーは5月8日、企業のリスキリング施策導入者層(経営者・人事担当者)とリスキリング対象者層(経営者・人事担当者以外の従業員)を対象に実施した、「リスキリング対象者層のITスキル教育」に関する調査の結果を発表した。
はじめに、リスキリングの取り組み状況について、リスキリング施策導入者層とリスキリング対象者層にそれぞれ、かつ年度別(2022年度と2023年度)で調査を行った。
「リスキリングについて、ご自身で何らかの取り組みをされていますか?」と質問したところ、2022年度調査では、リスキリング施策導入者層の回答結果は「既に取り組んでいる(15.9%)」「取り組むことを決めている・検討している(31.0%)」「何も取り組めていない(53.1%)」となり、リスキリング対象者層の回答結果は「既に取り組んでいる(1.4%)」「取り組むことを決めている・検討している(5.9%)」「何も取り組めていない(92.7%)」となった。
一方、2023年度調査では、リスキリング施策導入者層の回答結果は「既に取り組んでいる(52.6%)」「取り組むことを決めている・検討している(42.4%)」「何も取り組めていない(5.0%)」となり、リスキリング対象者層の回答結果は「既に取り組んでいる(42.8%)」「取り組むことを決めている・検討している(44.1%)」「何も取り組めていない(13.1%)」となっている。
リスキリングの取り組み状況は、全体的に昨年よりも進捗している様子がわかる結果となっている。特にリスキリング対象者層はその傾向が顕著となっており、2022年度調査では実に9割以上が「何も取り組めていない」と回答したが、2023年度調査では1割台(13.1%)と大きく変化していることが明らかになった。
リスキリング対象者層は企業側に対して、どのようなリスキリングの機会を求めているのか調査した結果、2022年の調査では「ExcelやPowerPointなどの基本的スキル」「マーケティングなどの知識」「プログラミングなどの高度なスキル」となった一方、2023年に行った調査では3位だった「プログラミングなどの高度なスキル」が最も多くなり、「ノーコードやRPAなどの中程度のスキル」が続く結果となった。
また、リスキリング施策導入者層に対して、「DX推進を阻む人的要因・課題をどのように解決したいと思いますか?」と質問したところ、「中堅層の(IT研修など会社主導での)育成」(31.3%)が最多となり、以降「管理職の(IT研修など会社主導での)育成」「若手の(IT研修など会社主導での)育成」と続いている。
この結果からDX推進を拒む人的要因や課題について、解決策となるのは「(企業主導による)管理職や中堅層へのIT研修」であると考えていることが明らかになった。