ロームは、サーバやACアダプタなど幅広い電源システムに最適な650V耐圧GaN HEMT「GNP1070TC-Z」および「GNP1150TCA-Z」の量産開始を発表した。
2製品は、電源やトランスの製造を手掛ける台Delta Electronicsの関連会社でGaNデバイスの開発を担当する台Ancora Semiconductors(2022年7月設立)と共同で開発したもので、650V GaN HEMTのデバイス性能指数(RDS(ON)×Ciss/RDS(ON)×Coss)において業界トップクラスを実現したという(Cissは入力側、Cossは出力側からみた時の全体容量。この値が低いほど、スイッチング速度が速く、スイッチング時の損失が少なくなる)。
低スイッチング損失を実現したことで、電源システムの高効率化が図れるようになったとするほか、ESD保護素子を内蔵したことで、静電破壊耐量が3.5kVまで向上。これによりアプリケーションの高信頼化も可能になったとするほか、GaN HEMTの特長を活かした高速スイッチング動作により、周辺部品の小型化も可能になるとしている。