Intelが2023年第1四半期(1~3月期)の決算概要を発表した。

それによると売上高は、前年同期比36%減の117億ドル、純損失は27億5800万ドルと2四半期連続の赤字を計上した。同社は、業績悪化を受け、2025年までに最大年100億ドルのコスト削減を進めるとしている。

同社のPat Gelsinger CEOは、「マクロ経済の見通しには引き続き慎重であり、厳格なコスト削減と効率化をおこなう。IDM 2.0を実現するため、プロセスと製品のロードマップを確実に実行するように努め、ファウンドリビジネスを前進させて、今後の1兆ドルの半導体市場機会を最大限に活用できるように尽力する」と述べた。

また、同社のDavid Zinsner CFOは、「IDM 2.0を実現するための重要なステップの1つである内部ファウンドリモデルを確立するために必要な投資を優先している」と述べ、全社をあげてIntel Foundry Serviceの立ち上げに注力していることを強調した。

主要事業が軒並み減速

部門別で業績を見ると、PC向け半導体が中心のクライアントコンピューティング(CCG)の売上高は前年同期比38%減の58億ドル。データセンタおよびAI(DCAI)事業も同39%減の37億ドル、ネットワークおよびエッジ(NEX)事業も同30%減の15億ドルと軒並み減収減益を記録。ファウンドリ事業も同24%減の1億1800万ドルとなったが、Mobileyeだけは同16%増4億5800万ドルとプラス成長を果たした。

  • Intelの2023年第1四半期の事業部門別売上高

    Intelの2023年第1四半期の事業部門別売上高 (出所:Intel)

また、第2四半期の見通しについては、売上高が115億~125億ドルと横ばいからやや回復と見ており、粗利益率についても第1四半期の34%から徐々に回復。下期には40%ほどへと回復すると見ている。PC市場の在庫消化が進んでおり、第2四半期末には健全な水準に戻る見込みからの予想としている。

微細プロセスの開発は順調に進捗

同社は4年間の間に5つの技術ノードの商用化を目指して開発を進めており、いずれも順調に進んでいるとする。すでに5つのノードのうち2つがほぼ完成した状態にあり、Intel 7は大量生産済み、Intel 4についてもMeteor Lakeが2023年後半の発売に向けてウェハの量産を開始。Intel 3、Intel 20Aおよび18Aについても順調に開発が進んでいるとしているが、その真偽については実際に適用されたCPUなどが予定通り登場するかどうかで判断するしかない。

なお、Gelsingser CEOは、4月に中国を訪問した際にイスラエルTower Semiconductorの買収について中国政府規制当局者と協議したことを決算発表会で明らかにした。ただし買収実現の時期は不明だとしている。同社は2022年2月にTowerを54億ドルで買収することを発表し、「買収完了まで12カ月を見込んでいる」としていたが、すでに発表から1年以上経過したものの、中国当局から許可を得られておらず、買収完了に向けて中国当局の承認を待っている状態である。